2011年11月5日土曜日

ヒューマン・ライツ・ウォッチ、リビア支援のベルギー銃器会社契約を暴露

カダフィ政権に軽銃器の販売をしていたベルギーの国営エルタル(FN Herstal)社の販売契約書を8月末にNGO国際人権組織のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)がリビアの首都トリポリで入手していたと、ベルギーのル・ソワール(lesoir.be)紙が暴露した。

エルタル社は欧州初のセミ・オートマ拳銃BrowningM1900の製造で有名でベルギーのフランス寄りワロン地方国家が100%所有している。

2009年5月15日に軽銃器をコンポ配送していた。しかしこの武器販売契約の公式な輸出許可をしたのは2009年の6月8日の議会選挙の後で、ワロン地方のルディ・デモット大臣の署名がなされている。エルタル社側では間違いなく契約ができるものとして配送の準備をしていたのだといっている。

8月末にヒューマン・ライツ・ウォッチの緊急使節団の責任者であるペーター・ブッケールト氏が故カダフィ大佐の7番目の末っ子が支配する地区の司令本部の建物から弾薬が抜かれた武器の入ったケースと12ページに渡る英語とフランス語で書かれた売買契約書が見つかった。

契約金額は12.18200万ユーロ(約1300億円)であった。当初の発注予定では2010年-2015年に116億円があったが途中でロシアへ注文が移ったらしい。ワロン議会での決定も不確かな時期でもあり、輸出国相手が独裁者のリビアであることから武器商売の在り方が問われている。

カダフィ大佐が10月20日に北大西洋条約機構軍(NATO)とフランスのラファール戦闘機が攻撃する中で逮捕され直後に殺害されたが、その時に所持していた黄金のピストルの契約記載もこの12ページの書類にはあった。

フランスでも同様な事件があった。サルコジ派の仲間で武器商人のレ バノン人ジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)がカダフィ大佐を守るために、探知電波を跳ね返す超安全防御の四輪駆動車(市価4百万ユーロ、約4億4千万円)をフランスの電子機器専門のビュル・アメネジィ(Bull-Amesys)社に調達していた。これを2011年9月18日の左派系のインターネット新聞社メディアパーが暴露している。

この契約書にはサルコジ大統領の署名があるというが、フランス通信(AFP)の確認によると大統領はこれを拒否しているといっている。

ビュル・アメネジィ(Bull-Amesys)社製の車は半径100メートルに及ぶ範囲の磁気探知機を機能させなくさせる装置を備えているという。

これによりカダフィ大佐は爆弾の中でも行動ができることになっていたことがわかり、長らくカダフィ大佐の消息が不明になっていることを仏国営ラジオやテレビが毎日報道していたが、その原因がわかった。