2011年11月21日月曜日

欧米諸国を「拒絶」し、子息カダフィのICC裁判を「リビア」で要求

19日、ニジェールへ逃走しようとして逮捕されたカダフィ大佐の息子セイフ・アル・イスラム氏を公正な裁判にかけるとしてリビア暫定政権のアブデル・アル・キブ首相は、セイフ氏をオランダのハーグの国際刑事裁判所(ICC)で裁くことを要求する米・英・仏・欧州議会を拒絶した。現在、セイフ氏はトリポリの南西170キロのゼンタンに拘置されている。しかしキブ首相はICCと共同で裁判をするのを希望している。そうなれば、セイフ氏の逮捕が軍隊によっていることから過激集団の支持が予想される。新政府の成立を進めている暫定政府との間に緊張が高まると国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチのフレッド・アブラハム氏は心配している。フランスの左派系週刊誌ヌーベル・オブセルバトワールfr.が伝えている。
しかしフランス・ソワー紙fr.では、キブ氏は今後のICC との協議にはすべての国際組織の協力を歓迎するともいっていることを報道している。


逃走中のセイフ・アル・イスラム氏とその同行者5人の逮捕は、リビア南西部のワディ・アル・ジャル地方でゼンタンの旅団兵長により、18日の夜から19日にかけての01時30分頃となっている。その時にセイフ・アル・イスラム氏は自分の頭を打ち抜いて欲しいと要求したが、ゼンタンに連行したのだと旅団長は語った。セイフ氏らはカラチニコフや自動連発銃、手榴弾といった軽武装であったという。


セイフ氏は首都トリポリの170キロ南東のBani Walidから10月中旬には更に南部のWadi Zememへ非難していた。さらに南へと逃げBourak Al-Chaliからニジェール(Niger)へ遁れようとしているところで捕まっている。


ニジェールには同氏の弟で事業家でありサッカー選手のサディ・カダフィ氏が、同国マハドゥ・イスフ大統領によって人道的な理由から亡命受け入れを決定したと11月11日の南アフリカ訪問の折に発表されていた。

6月27日からセイフ氏はあらゆる手段で父親の計画を実行する中心人物とみられ、民衆の蜂起を抑圧した人権犯罪容疑でICCから国際指名手配状が出されていた。


リビア政府は父親のカダフィ大佐とその息子ムアタジィン(Mouatassim)氏が10月20日に逮捕され裁判も受けられずに直ぐに二人は殺害されてしっまった。この前例があるために今度は誤りを回避したいと警戒している。


これとは別に、リビアの元秘密情報局長のアブダラ・アル・セヌシィ氏がICCの追跡によって、リビア南部のアル・グィラ(Al-Guira)で捕まったと国民評議会(NTC)の幹部が20日にフランス通信(AFP)に伝えている。しかし日時や状況はわかってない。


ICCはリビアでの裁判の可能性を拒否はしてないが、リビアに義務を課している。ルイ・モレノ・オカンプICC 検事は来週にリビアを訪問することになった。


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【参考記事】
http://tempsreel.nouvelobs.com/monde/20111120.OBS4921/la-libye-refuse-de-livrer-seif-al-islam-a-la-cpi.html