2017年2月15日水曜日

仏の警察は 若者では一般の7倍超を 身元尋問検査 

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎15/‎02/‎2017‎‎-15:31:25)人権擁護団体の調査でアラブ人や黒人の青年の80%が最近の5年間に尋問検査に会っているという調査結果が発表されている。パリ近郊のオルネー・スー・ボワ(Aulnay-sous-Bois)で2月3日に4人の警察官が黒人青年のテオ君を路上尋問して暴行した上に尻に10センチほどこん棒を入れて強姦した事件で、フランス中の移民たちがこれに抗議して暴動化した事件も起きている。ルモンド紙の2月14日によるとこの種の統計は少ないのだという。人種差別を表現することになるからだが、ルモンド紙は人権擁護団体の5117人を対象にしたこの珍しい最新の調査を発表している。

最近5年間に警察から尋問検査を受けたのは18歳~25歳の青年ではその80%が調べを受けたと答えている。それは全体平均の7倍に当たるという。黒人やアラブ人などマぐレブ人では尋問されたのは最近の5年間では80%に上っている。

グラフは、黒人・アラブ人・マグレブ人、白人かの外見によっての身分検査の頻度を示す人種差別統計となっている。質問は、最近の5年間であなたは何回、個人的に身分検査を警察から受けたか?というものだ。
水色は全然受けたことが無い。黄色は1回~5回。赤色は5回以上を示している。5つあるグラフは上から順に、アラブ人として見られて。2番目は黒人として見られて。3番目は白人として見られて。4番目は全体で。
カーソルを一番目の「アラブ」として見られた場合に合わせると、水色の全然ないが51,50%。黄色の1回~5回が26、70%。赤色の5回以上が21、90%と数字で表示される。

白人との対比が一目瞭然で警察による尋問が黒人やアラブ人へ対して多い事がわかる。
女性は男性に比べて警察の尋問が少なく、青年への警察の尋問検査での無礼な言葉遣いなどが指摘されていて、全体では16%にしかすぎないが、18歳~24歳の青年では29,5%がこの乱暴な言葉遣いの待遇を受けているという。
この仏国家次元での調査は2016年2月19日と2016年3月31日の間に5117人をサンプルに56人の調査官により電話解答で世論調査会社イプソス(Ipsos)が行ったもの。調査した3834人は白人。269人が黒人。297人がアラブ人及びマグレブ人。アジア系が56人となっている。調査に要した時間は平均37分。質問は年齢、性別、両親の国籍、宗教など、また質問内容は法的知識や政体の評価、子供の権利、不平等・差別待遇。労働差別、人種差別、公共サービス、警察や人々との関係などが多岐にわたっている。

【参考記事】
http://www.lemonde.fr/les-decodeurs/article/2017/02/13/controles-d-identite-les-jeunes-7-fois-plus-controles-que-le-reste-de-la-population_5079101_4355770.html


http://www.defenseurdesdroits.fr/sites/default/files/atoms/files/rapport-enquete_relations_police_population-20170111_1.pdf