2017年4月11日火曜日

マリーヌ・ル・ペン アウシュビッツ収容所へのユダヤ人一切検挙には仏国は責任なしと逸脱発言

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎‎11/‎04/‎2017-10:25:13)二週間後の仏大統領選挙第一次投票を前にして極右派のマリーヌ・ル・ペンFN候補は1942年のヴェルディブ(Vél’ d’Hiv)の一切検挙の責任はないと9日のラジオ・テレビ・新聞社共催番組グランジュリー(Grand Jury)に出演して威厳のない逸脱発言をした。もっかの世論調査では11人の候補者中でトップだがこの発言で変化がでそうだ。フランスがナチスドイツ占領下にユダヤ人をアウシュビッツ収容所へと輸送した犯罪に関してはジャック・シラク大統領が1995年7月に「その時にフランスは取り返しのつかないことをしてしまった」とこれを認めている。これには当時のラファランもジョスパンも誰もが明快にフランス政府の過ちを承認したのであったとルモンド紙は述べている。フランソワ・オランド仏大統領は「フランスがフランスで犯した犯罪である」とこれを告発している。マリーヌ・ル・ペンはそれはナチス傀儡のヴィシー政権がやったのでフランスは戦争責任を反省する必要はないと発言したわけだ。彼女は父親のル・ペンと同様にその正体を露見させたのだとして、他の仏大統領選挙候補者からは格好の批判の的になっている。

この1942年7月16日と17日との一切検挙ではフランスにいた13000人以上のユダヤ人がパリ東部のディブ(d’Hiv)ベロドロームに集められ、サンドニのプレーン平原の駅からドイツのアウシュビッツ収容に送られたのであった。

【参考記事】
http://www.francetvinfo.fr/elections/presidentielle/rafle-du-vel-d-hiv-marine-lepen-allie-le-refus-de-la-repentance-et-la-captation-de-l-heritage-gaulliste_2139416.html
http://www.lemonde.fr/idees/article/2017/04/10/rafle-du-vel-d-hiv-la-faute-de-le-pen_5108861_3232.html
http://www.ouest-france.fr/politique/marine-le-pen/rafle-du-vel-d-hiv-les-propos-de-marine-le-pen-indignent-4920880