2011年9月30日金曜日

ドミニク・ストロスカーン(DSK)が小説家のトリスタン・バノンと会見

29日朝にパリの13区内の警察で、国際通貨基金(IMF)前専務理事ドミニク・ストロスカーン(DSK)氏は8年前(2003年2月)の性的暴行で告訴をしている小説家のトリスタン・バノン(32歳)さんと弁護士の付き添い無しで2時間30分ほどの対面がなされた。終了後、バノンさんはジャーナリストのカメラを避けるようにして急いで進入禁止方向に車を飛ばした。DSKは正面玄関から少し苦笑いをしながらカメラマンを避けることもなくジャーナリストを眺めながらゆっくりと車に乗り込んだ。この対照的な2人の情景が、一方は性的な暴力を主張し、一方はたんなるキスであったという両者の対立した会見の模様を伝えているのではないかとBFMTV.COMは伝えている。


http://youtu.be/E4orwvLBLDM

DSK- Banon : fin de la confrontation à la BRDP
DSKは犯行を否定していて、バノンと会った時にはどんな暴力も無かったとしている。

DSKはフランスに帰国して初めて仏民放テレビTF1で9月18日に会見した。そこではバノンさんとの事件容疑にも少し触れて話している。その中で、バノンさんへ言い寄ったと一部譲歩したが暴行は小説家の「想像」だとしてすべての暴力の存在を否定している。

今日のバノンさんとDSKとの会見や、今晩20時から仏民放テレビTF1でバノンさんの出演が予定されている。それらがどうしてこの時期なのかは不思議なことである。

若く美しい女性の悲劇の叫びは重要だが、それがテレビの視聴率を集めるのも事実だ。しかし、何故この時期になのかを考えるべきだろう。

それは2日前あたりから大問題になっているカラチ仏人殺害事件での見返り手数料(レトロ・コミッション)に絡らんで、今度はサウジアラビアへの軍艦の売り込み事件で、仏政府側へと還流した違法手数料の支払いがスイスの銀行口座で発覚したニュースがあるが、これはバノン事件の陰に隠れることにもなる。この資金がバラデュー元仏首相の大統領選挙へと流れたとされる事件だ。それを支持していたのが当時財務相でバラデューの大統領選挙のスポークスマンをしていたサルコジ氏であった。日本の新聞メディアはこういった平行して起こっている重大ニュースはどう処理してしまうのであろうか?

さらには、サルコジ大統領によって指名されたフィリップ・クロワ検事は昨日ごろから裁判所に喚問されていることや、クロワ検事によるルモンド紙のジャーナリストへの電話盗聴の違法性が大問題になっていることなども隠れてしまうのだろうか?

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【参考記事】
http://www.francesoir.fr/actualite/justice/tristane-banon-au-jt-tf1-jeudi-soir-142450.html
Tristane Banon au JT de TF1 jeudi soir
http://lci.tf1.fr/france/justice/tristane-banon-et-dsk-maintiennent-leurs-versions-des-faits-6738083.html
Tristane Banon et DSK maintiennent leurs versions des faits