2011年2月13日日曜日

アルジェリア「独裁体制」抗議集会は 警察の暴力で鎮圧 仏政府の「公式声明」は未だないとラジオ・フランス・アンフォが

12日のアルジェリアでの政府抗議集会に参加した人々は口々にブテフリカの独裁体制を批判した。もう後には引き返すことはできないと抱負を語った。エジプトでも独裁者のムバラク体制が凋落し同氏が逃げ出すると見るやその態度が一変して民衆の革命をメディアも報道するようになった。フランスのメディアもエジプトのメディアと同じように権力者に媚びいる醜態が露見しだした。
2月11日にエジプトのホスニ・ムバラク独裁政権が外国の手を借りることなく民衆の手で陥落し、翌12日(土)にはアルジェリアで、アブデラジ・ブテフリカ独裁体制に反対する抗議集会が各地で開催された。これを取り締まる首都アルジェだけでも3万以上の警察の出動によってデモ組織者側の発表3000人の抗議者が鎮圧された。抗議した多くのアルジェリア人と警察が負傷した。これに対する友好国として宣言されているフランスだが、13日朝の「ラジオFrance Info」では「仏政府の公式声明は未だにない」と指摘している。フランス政府は、アルジェリアは勿論のことチュニジアでもエジプトでもフランスは友好国だとしてきているがそれはどの次元の人々との友好なのかが問題になってきている。12日のアルジェリアでの政府抗議集会に参加した人々は口々にブテフリカの独裁体制を批判して、もう後には引き返すことはできないとチュニジアやエジプトに続く革命を実現させてゆく抱負をテレビで語っている。

12日、フランスのフィヨン首相はチュニジアの独裁者が亡命しているサウジアラビア王国を訪問して、エジプトの平和的政権移行を支持する発言をした。同首相はエジプトで独裁政権と闘って民衆革命が進行している中を、独裁者ムバラク大統領が無料提供したジェットと豪華ホテルでアスワンからアブー・シンベル寺院を家族旅行していた人である。まったくずれていると思えるが、サルコジ大統領などは前任者の大統領も同様なプレゼントを受けていているので問題ないとしている。

ジャーナリストのアラン・デュアメール氏は特に、アイオマリ外務大臣(前内相、元防衛相、MAM)やフィヨン首相などがみんなもしているとして自分のした過ちを逃れようとしているのが良くないと指摘し、豪華ヨットだの無料ホテルだの接待はどの首相や大統領も一様にして受けたといっているがリヨネル・ジョスパン社会党元首相はいつも料金を払っていた。みんなフィヨンやサルコジと一緒にしてはならないといっている。そしてデュアメール氏は、今頃になってジャーナリストは目が覚めたようにして振舞っているが、以前はこれらの大統領や大臣を支援してはばからなかったのだとフランス国営放送・テレビA2の司会者を前に見て話した。

エジプトのメディアも同じで、独裁者のムバラク体制が凋落し同氏が逃げ出すると見るやその態度が一変して民衆の革命を報道するようになった。豹変するメディアの姿も大臣同様に醜いものだが、多くの石油や天然資源をもつアルジェリアの資産は莫大で国家の欧米からの利益は計り知れないものがあるという。しかし国は貧しく利益が一部の者に独占されていて国民には還元されてない。

しかし独裁者の悪政に苦しむ民衆がいてその上に自己の快楽を築くことは世の政治家がすべきことだとは思われない。この点が疑問として残っていて、特にアルジェリアはフランスとの戦争や植民地問題など深い関係が歴史的にある。今後、アルジェリアの独裁者ブテフリカへの民衆の抗議がさらに高まることは避けられない。その中でフランス政府がどのような態度をとるのかがいま注目されている。