2011年9月24日土曜日

サルコジの前内相オルトフーが重大発言、「エレーヌがばらした」




Hortefeux en contact Gaubert durant sa garde à vue


http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ef6ULCRaqRs#!
 23日サルコジ大統領の重鎮の一人ブリス・オルトフー前内相(元移民相)が、「エレーヌはしゃべりすぎた。我々をばらしてしまった。もうすぐ拘置の手がまわるだろうから、気をつけよ」と、サルコジ大統領の側近のチェリー・ゴベール(Thierry Gaubert)氏がすでに拘置されているのも知らずに同氏の携帯電話に9月14日に話し警察にこれが盗聴されていた。オルトフーはゴベールに電話したことを認め、「この情報は裁判所からのものではないと」して、司法への介入を否定する中で逆にカラチ事件での(違法)の還流コミッションとの関係を明かしてしまった。これが、パキスタン側へのアゴスタ潜水艦売買契約に当時財務相として署名しているサルコジ大統領にとっても無関係ではいられない大変に重大な発言となっている。
 これはオルトフー前内相が事前に司法界の情報を謁見して握っていて仲間のゴベール氏に警報をだしたものとされている。オルトフー氏の行為は当時の政府が裁判所の秘密を侵害する民主主義に違背するものだとされ大問題になっている。これがさらに問題なのはオルトフー氏はこの電話でのゴベール氏との会話を認めてることだ。カラチ事件での財政面の事件である違法(還流)コミッションの受け取りを認めてしまったということになる。(この違法コミッションに関する説明は以下を参照。→サルコジとバラデュの元相談役2人が拘置、カラチ事件のコミション還流事件

 チェリー・ゴベール(Thierry Gaubert)氏というのは、 バラデュー元首相の官房長官を93年から95年に歴任し、仏高級品製造のルイ・ヴィトンやシャンパン会社のLVMHグループのナンバー2で 、サルコジ大統領の30年来の友人。カルラさんとの結婚の証人になっている。また同氏はサルコジ大統領がヌィーイの市長時代からの30年来の友人で、パキスタンにアゴスタ潜水艦売り込み契約を調印した財務相時代のサルコジ氏との関連で、今年6月始めにも家宅捜査を受けていた。

 エレーヌさんというのは、 チェリー・ゴベール氏と離婚争議中の夫人(エレーヌ=ユーゴスラビア妃、イタリア王ウンベルト2世の子孫)のことで、94年から95年頃にかけてゴベール氏は現金のぎっしり詰まったトランクを、パリからスイスに取りに出かけていると、国家税制調査局(DNIF)の調査官にはなしている。ゴベール氏はスイスにはタキエディン氏と連れ立って現金を取りに行ったと証言されている。

 ジアド・タキエディン氏というのは、パキスタンやサウジアラビアへのフランスの武器販売を仕事にする億万長者で、サルコジ大統領やオルトフー前内相、ジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長の友人である。南仏のタキエディンの豪華な別荘には夫婦でコッペ氏やオルトフー氏がバカンスを過ごしている。

 サルコジ仲間として知られるタキエディン氏とサルコジ大統領のヌィーユ市長時代からの30年の友人であるニコラ・バジル(Nicolas Bazire)氏との関係については、約3億6千万円で離婚したというタキエディン氏の前夫人ニコラ・ジョンソンさんが、1993年にバジル氏が少なくとも2度か3度は自宅に来ていることを証言しているとインターネット新聞のメディアパー社ではいっている。

 このニコラ・バジル氏がパリでレ バノン人ジアド・タキエディンとチェリー・ゴベール氏がスイスから運んできた大量の現金を受け取ったと証言された。

 カラチ殺害テロ事件を簡単に話すと、2002年5月8日にパキスタンのカラチ南部で起きたで事件で、フランス造船局(DCN、当時は国営)技術者11人が殺害された。この事件は、当初はアルカイダによる爆弾テロの犯行説が有力であったが、その後シラク前大統領は潜水艦売買契約のコミッションがパキスタン政府へは届かずに一部フランス側へ還流しているとして政敵バラデュー元首相の大統領選挙運動資金となることを恐れ、当時毎年支払われていたコミッションを95年にストップさせた。そのことでパキスタン側が怒ってテロ報復に出たという説へと見方が変わっていった。これを現在はカラチ事件での財政面と一般にいっている。95年のバラデューの大統領選挙資金の中の1千万フランほどがバラデューの大統領選挙時の口座で見つかったと報道されている。

 ブリス・オルトフー前内相の発言は多くの隠れた事実があることをさらに証明したものであり、嘘はつくことが出来ないとう本来の性格に由来するもであったのか、ジャーナリストの執拗な追跡に口をつい滑らして話してしまったのかはわからない。最近多くのメディアが新しい暴露記事を毎日報道しているが、カラチ事件の財政面の違法コミッション受け取り容疑がサルコジ大統領周辺に今後及んでいくのは必然的になってきた。が、大統領特権で喚問はできない。しかしこれらの事実は2012年の大統領選挙に大きな影響があるだろう。