2011年11月23日水曜日

ベッタンクール事件、「隠し銀行口座」が暴露、仏国税庁は80億円の未支払額を要求

世界的な化粧品会社の社長リリアン・ベッタンクールさん(89歳)はフランス第3位の170億ユーロ(約1兆7千億円)を持つ大富豪だとされ、サルコジ氏への政治献金授与疑惑で騒がれていたが、11月22日仏国税庁は税金未支払いを指摘し7800万ユーロ(約80億円)を支払うように要求した。 ベッタンクールさんは不法に買収したセイシェル諸島に隠し銀行口座を持っていたことがインターネット新聞のメディアパー社によって暴露されていた。フランス通信(AFP)が確認したところでは、仏財務相はリリアン・ベッタンクールさんが財政建て直しの金を持っていたことを認めているが正確な額面の発表は拒否したという。同様な調査でスイスとシンガポールに12の隠し銀行口座がみつかったという。

メディアパーやルモンド紙fr.などが伝えている。事件暴露の手がかりはサルコジ大統領が市長であったパリの西部に隣接するヌィー市に邸宅を持つベッタンクールさんは、その使用人によって録音機が仕掛けられてベッタンクールさんの管財人パトリス・ド・マイストル氏との会話が盗聴されたことに始まる。その録音にサルコジ氏の名前や「ペルクレス」とベッタンクールさんが呼んだ?現大臣の名前らしき人物も登場していた。

現在は、リリアン・ベッタンクール事件の政治献金疑惑事件は担当裁判所がボルドーに移っているが、調査はサルコジ氏や与党政権の国民運動連合(UMP)の議員が不法に政治的利益を被っていたと疑われている。そこから野党はベッタンクールさんは政治的な優遇措置を税の面でも受けてきたのではと見ている。

メディアの度重なる暴露のすえに政府が今回の措置に踏み切ったのはあまりにも遅かったと残念がられている。これはジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長がローレックスの腕時計をカラチ事件の(不正)コミッション容疑のあるレ バノン人のジアド・タキエディン氏から贈与されていることが明らかになったこととも関係がありそうだ。