2011年1月31日月曜日

ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)のエバ・ジョリ欧州議員が仏のカラチ裁判でサルコジ大統領を批判

1月31日「ラジオFrance Info」に出演したヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV )のエバ・ジョリ欧州議員はカラチ仏人殺害事件の裁判が拘束されて障害にあっているのはニコラ・サルコジが裁判を統制しようとしているからだと告発した。今日、フランソワ・レオター元国防相が2002年のカラチ仏人殺害事件の予審を担当するトルビデェック判事の法廷に証人として出頭する。
カラチで起きたテロはイスラム過激派説から、コミッションの支払い停止によるパキスタン側の怒りのテロだとの見方が強まった。シラク大統領がバラデュー元仏首相側へ逆流するレトロ・コミッションをストップさせるためだったと見られている。違法コミッションを誰が受け取っていたかが問題の焦点に。
コミッションといっても2つある。1つはフランスの武器販売相手国側に対してコミッション(賄賂)を支払うことは当時は合法的でありこれは裁判の対象にはない。しかしフランスがカラチ政府へ贈ったはず(合法)のコミッションがカラチには届かずに仲介人からフランス側の契約関係者にルクセンブルグなどの銀行(N.S ニコラ・サルコジが開いた口座)を介して当時のバラデュー元仏首相派へ送り返されたとの疑惑のあるコミッションの流れを見返り手数料(レトロ・コミッション)といって使い分けしている。レオター元国防相の今回の証言でもって、この見返り手数料(レトロ・コミッション)の存在がさらに強化されたわけだ。
レオター元国防相はカラチ仏人殺害事件でフランスからパキスタン政府へ贈られたコミッション(当時は公認されていた)とは別にフランス国政府要人へと両国の仲介人から逆戻りしてフランス政府要人へと流れ込んだ手数料(レトロコミッション、汚職)の中心にある人物だとエバ・ジョリ欧州議員は指摘している。

そのことで財政汚職の専門家でもあるエバ・ジョリ元判事の心配は、ルノー・バンリュインベック判事がフランス側への見返り手数料(レトロ・コミッション)の額面と利益者の名前をつきとめられるかだという。

「私はカラチ事件での障害が何であったに関しての批判をやめないのはそのためだ」つまり、「ニコラ・サルコジが予審判事制度を廃止しようとしたときに、私はカラチ仏人殺害事件の捜査がサルコジを恐怖させていて、彼には予審判事制度を統制することが先決問題になっていたといってきたのです」と、エバ・ジョリ欧州議員は「ラジオFrance Info」でラファエル・ドゥチェマンさんのマイクの前で語った。

見返り手数料(レトロ・コミッション)はいくらくらいあったのか?誰がその利益に預かったのか?とのラファエルさんの質問には、「裁判所がこの調査を止めてしまったことを我々は知らされた。それはフランソワ・レオター元国防相だけの問題ではなく、それはニコラ・サルコジも関係していたからだ」とエバ・ジョリさんは静かに力強く答えている。そして2人の判事が犠牲者の家族のためにも真実をつきとめることを期待したいとしている。

チュニジア革命のあとエジプトが続いて革命が実現しようとしている騒乱のメディアの中で、カラチ仏人殺害事件の裁判証言が行われて、そのためにこんなに重大な国家の事件が注目されなくなっている。ラファエルさんの声も落ち着いていてラジオFrance Infoが、事件に詳しい専門家のエバ・ジョリ欧州議員に取材したのは良かった。