2011年10月19日水曜日

アルジェリア人を仏警察がセーヌ川に投げ捨て50周年、「憤慨せよ!」の著者ステファン・エッセル氏が講演




1961年10月17日にパリのサンミッシェル橋で在フランスのアルジェリア人FMA(Français musulmans d'Algéire)の平和の3000人のデモがフランス警察によって残忍な弾圧を受け数十人がセーヌ川に投げ捨てられ多くの死者と行方不明がでた。この50年前を記念する行事には100万部を突破した「憤慨せよ!」(Indignez-vous!)の著者ステファン・エッセル(Stéphane Hessel)氏が夜に参加して演説した。ここに紹介したい。
同氏はここに来て皆さんの前ですべての真実がどうであったのかを明かすことが大事であり、50年前の警察による恐ろしい出来事でいったい何にがあったのか、それを話すことは光栄であると先ず話した。フランスの警察と指導者は受け入れがたい態度ですべてを隠蔽そうとしてきたが、幸せなことに勇気ある人々によってなにがあったかが書かれた。今日その恐ろしい時代の真実を知る必要があり和解がひつようだ。我々フランス人とアルジェリア人は一緒に友情をもって暮らすだけではなくて、正義と自由と平等の世界を共に築かなければならないと述べている。

ここでステファン・エッセル氏が引用している「勇気ある人々によってなにがあったかが書かれた」というのは、ドキュマンタリストのヤスミナ・アディ(Yasmina Adi)氏のフィルムなどを指している。1世紀以上に渡るフランスの植民地政策に続き8年間のアルジェリア独立戦争後に1962年3月18日にエビアン和平条約が調印されて、アルジェリア独立宣言が1962年7月3日になされている。来年はその50週記念になる。

アルジェリア人たちは警官に棍棒で打たれたりセーヌ川に投げ捨てられた。拳銃で射殺され者もいる。デモ参加者の半数が逮捕されて拷問を受け、5ヶ月後に釈放された。公式発表では2人の死亡者しかないが数十人から300人が殺害され行方不明になったと推定されている。パリの死体置き場で焼却場でもあるモルグの記載によってそれが証明されているという。

この事件の写真や資料は一般公開されず国の秘密になってきた。ドゴール将軍の時代だがモーリス・パポンパリ元警視庁総監の命令による「人間狩り」があったとされている。学校の歴史教材でもアルジェリア戦争と植民地独立との関連でこの事件は重要だが記載は真実は隠されているという。左派系知識人を多く読者に持つリベラション紙fr.は、いったい現在にどれだけのフランス人がこの事件がどうであったのかを真剣に捉えようとしているのだろうか?と書いている。

その日を記念してアルジェリア人やフランス人が集会し、これには前日16日に仏社会党大統領予選で選抜されたフランソワ・オランド氏やパリ市長のベルトラン・デェラノエ氏らも午前中に参加したことが昼のフランス国営放送テレビA2では簡単に映像が報道されている。しかし夜のA2では映像はなく事件は短くふれられただけであった。

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