2011年3月15日火曜日

ルノー自動車のカルロス・ゴーン会長 スパイ嫌疑事件の「詐欺の可能性も」 仏検事が記者会見で

3月14日、フランスのジャン・クロード・マラン検事はルノー自動車スパイ嫌疑で記者会見して、3人の幹部の口座は存在しないことを宣言した。このことで後に残ったのが「情報詐欺の可能性」で、場合によってはルノーは情報詐欺の犠牲者かもしれないといっている。このことで意見を変えたというカルロス・ゴーン会長は「ルノーの名において我々はまちがえた」といっている。そして会社を辞めさせた3人と家族に謝ると発言した。
ルノーへの情報提供者の仲介をしたセキュリティー会社の責任者の1人であるドミニック・ジェヴレー氏は11日に逮捕され取調べがなされている。
マラン検事は「予審では情報源者の身元と口座の確認が明らかにされるだろうが、今のところはこの二つは詐欺の可能性が強い」と話している。また情報提供者の求めで仲介者がルノー社に請求した金額は40万ユーロ(約4800万円)になっていたと同検事はいっている。

事件の始まりはカルロス・ゴーン会長がセキュリティーの得た情報をもとに1月初めに3人の幹部を電気自動車の情報を国外に流しているとして告訴し辞めさせたもの。3人の社員は無実を主張していた。

1月初めは、フランス産業界がヨーロッパ最大のスパイのチャンピオンであるという内部告発サイトのウィキリークス情報が流れ、ルノー社の販売成績の伸び悩みなどが報道されていた時期に起きたものだ。


「調査源」の調査者とルノー自動車の仲介を取り持ったとされる2人のセキュリティーの責任者とは、元憲兵のマルク・ティグザドー氏と、反テロリストや反スパイの活動をする国家安全防衛局に2009年まで務めたドミニック・ジェヴレー氏で2人はギニアへ逃亡するところをシャルル・ドゴール飛行場で11日に逮捕され、釈放されている。

カナール・アンシュネ」(3月9日)によると、セキュリティー会社の社長とはレミ・パグミ氏で、ルノー自動車のカルロス・ゴーン会長とは2000年初めに東京で知り合いそれ以来の友人だという。


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