2011年10月14日金曜日

仏人権団体が「落穂拾い」禁止の市長に取り消し要求


パリ東部のノジャン・シュール・マルヌ市の与党政権の国民運動連合(UMP)の市長が、野菜市場での売れ残りが道端やごみ箱に捨て残されたのを拾うことを市令で禁止した。これを犯した者は罰金を払うことにしたことで人権団体が抗議し取り消しを要求している。
フランスの社会派の画家のジャン・フランソワ・ミレーの作品「落穂拾い」の絵は多くの人が知っている。これはグラネといって収穫が終わって畑地に残された麦の穂や、ジャガイモを拾うことを指している。
フランスでは貧しい人々がこのグラネをすることで生活してきたが、これはみっともない情景だと市長は考えて禁止したという。
しかし多くの人権団体では「盗みをするよりましだ」「貧しい人たちを排除するもの」として市長のやり方に反対している。背景にはフランス人の多くが知っているアニエス・ベルダの感動的な「グラネ」の名を持つフィルムが脳裏に浮かんでいるのである。 [2011年10月14日 @ 16:43  -paris]