2011年2月12日土曜日

エジプトの独裁者最後の講演、ムバラクは民衆の心が理解できなかった

2月10日夜遅く、エジプトの独裁者ムバラク大統領が民衆へ向けて講演をした。それは余りにも独裁者の立場からのもので現実社会の民衆の願いとはあまりにも乖離していて心には響かなかった。独裁者の行く末は殺害されるか亡命だろうと心配されていたが。エジプト民衆の街頭でのムバラク大統領国外退出要求の高まりの中、2月11日午後にはついに逃げ出した。


ムバラク大統領は警察の暴力やピストルで撃たれた民衆を哀れみ犯人を見つけ出して厳しく処罰すしてあげると昨夜に講演し人々の気を掌握しようとしたが失敗、エジプトの革命が成った。この悪質で民衆を理解しないずる賢い独裁者の懐柔策に民衆はただただ呆れ驚いたのだ。2月11日夕刻、独裁者は民衆の街頭抗議の前に亡命の道を辿った。
10日の独裁者の講演は最後の演説になった。フランス語通訳からの同時速記の一部だが以下に記載することにした。


そこではムバラク大統領は9月までは大統領でいつづける。自分はエジプトのために多くのことをしてきた。みなさんこそエジプトのシンボルであり流れた血は無駄ではない。暴力を振るったすべての者を見つけ出して裁くと宣言していて、通訳も何度も口ごもった箇所があった。特にムバラクは私と我々を同一視していて、民衆が独裁者と一緒の意識ではないことに気がつかなかったようだ。(これはフランスのサルコジ氏なども「我々」という言葉を一番使用する政治家として知られているがその実際は民衆と乖離しているということでは、ムバラクと相似しているのかもしれないが、これは各自の判断に待たれる)

ムバラク大統領は以下のように話しだした。私は犠牲者に心からの憐憫の情を抱く。私は私の言葉を疑わない。自分は確信をもって皆さんは正しい要求をしているという。いまの悪い誤りを正しく処罰していく。私は大統領として私を独裁者だとすのは許さない。私は明確に大統領選挙には出ないといっているのだ。私はいつも私の責任で民衆の利益にしたがって行動してきた。

9月の選挙がうまくいくように神の前に誓う。この危機が収まるまで国家憲法審議会の前ですべての人々と話し合いながら、安定して権力移行をしてゆく責任があると、自分はその実現のために、すべての人々にこれを支持してもらいたい。

この計画を国家的話し合いの中で反対派も入れて良い道を、基本の合意の上に計画的に安全に9月を目指して、決めて、国家憲法審議会をつくり、実現してゆく。私が国民の前に宣言したことを実現する実行委員会を司法人などを加えて決めてゆく。

エジプトは今お互いの信頼が必要でエジプト人は困難な時代にあり、日に日に経済力が弱ってしまっている。このままだと若い人が困ることになる。国家的会話を開始して我々の経済の安定を確立していきたい。

・・・・・・・・などと長々とエジプトの民衆の要求しているものとは、余りにも乖離した演説であった。


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