2011年1月25日火曜日

【コラム】仏犯罪統計の裏に隠された仕組みが暴露、パリ郊外暴力増加の指摘も法螺(ほら)に


フランスの2011年度の犯罪統計で驚くべき話を耳にした。20日の「フィガロ紙fr.」のインタビューでブリス・オルトフゥ内務大臣はフランスの犯罪統計率で重犯罪は前年比で2.1%減少したが、パリ郊外都市のイル・ドゥ・フランス地方では個人への暴力が2.5%も増加したと発表した。

法螺(ほら)の世界では
ほらは、暴露される前なら好きなように吹き鳴らしてよいものか?




そして同大臣はイル・ドゥ・フランスの問題は、公共交通機関内での携帯電話盗難に伴う暴力でありそれが盗難全体の3分2を数えていると強調している。同内相はパリ郊外都市の暴力を強調したいのか、パリ市内の警察が新方策で効果的に暴力を抑えてきたのとは対照的だと指摘し今後の努力が求められるとしている。

この統計に関し疑問がブルターニュ地方のある社会党議員が「ラジオFrance Info」で疑問視する発言をだしていたためか、携帯電話販売店を対象に隠しカメラによる取材がなされたことで思わぬ事実が露見した。郊外都市での個人への暴力増加には意味があることがわかった。

携帯電話の販売の店員は高級携帯電話を薦めるにあたり保険金の返済条件を説明するのに、もし盗難された場合にはそれだけでは保証の対象にはならないので、ビンタされるとか殴られるなどの暴力を警察に届ける必要があると教えていたことがわかった。

これにより多くの証言で郊外暴力の統計内容が裏に隠された仕組みがあることが暴露された。

中身の誤った統計をもとにした郊外都市の暴力増加談義もその法螺(ほら)の加減が顕わになったといってよい。


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