2015年7月13日月曜日

ギリシャを欧州憲法審議会下で統制案 金で人間の尊厳を対価する「天秤」の貧困思想

12日の欧州議会は昨夜ギリシャの救済で真っ二つに別れた。ギリシャ追放(Grexit)を迫るドイツ財務相並びに欧州中央銀行マリオードラギ体制と欧州共同体内に引き止めようとするフランス側との間に深い溝を見せてしまった。ドイツやフィンランドやオランダが強く反対している為に、ギリシャを一時的に欧州外に期限を決めて出し、欧州憲法審議会の管轄下に置こうとする案が持ち上がっている。援助資金もそれに合決めていこうとするものだ。しかしまだ決定したわけではなく交渉は今日も続けられる。キリスト教の神を否定し殺したことのない北欧諸国は、同時に国の人間主権が失われることの重大性を理解できないから、ギリシャの主権を踏みにじる貧困なる思想の提案も出てくるのである。まるでカンタン・マチスの絵を見るように、金を人間尊厳の対価にしてバランス(天秤)に架けることのできる人々なのだ。 (シュットガルト=飛田正夫 2015/07/13 14:14日本標準時)
フランスのオランド大統領はどんなことがあっても合意を取り付けたいと意欲を燃やすが、ドイツのメルケル首相はギリシャは信用も信頼もできないし、そう簡単に合意はできないと突っぱねている。

 天秤というのは人間関係における信頼とか信用の次元ではなく、相対的な価値を追及する人々の、つまり商人たちの道具であったのである。そこに人を載せてはならない、ましてや計ってはならない。それが特にプロテスタントには理解しがたいのであろう。