2013年11月11日月曜日

サッカーW杯出場選手リベリーら、仏売春取り締まりで出頭、精神退廃の手本は誰なのか?

20日朝、フランク・リベリー選手とカリム・ベンゼナ選手は「ザヤ」と呼ばれる当時16才の少女の売春事件の事情聴取のためにフランス売春取り締まり局のパリ本部に出頭し拘置された。リベリー選手はサッカーW杯出場選手だ。チェリー・アンリ選手が反則行為のハンドで得点したことでフランスはサッカーの南アフリカ世界選手権W杯に出場できた。この不正を糾すどころか、これを「みんなで応援しよう」とスポーツは経済危機の特効薬との認識からサルコジ大統領をはじめ多くの政治家も先を争ってスポーツを政治の舞台に取り込んでいた。(本文の初出 / 2010年7月21日 @ 1:02 )

フランスチームはW杯で惨敗した。リベリー選手らの不祥事や南アで出場チームだけでなくラマ・ヤッドスポーツ担当閣外相の豪華ホテルの宿泊スキャンダルもあった。ロゼリーヌ・バシュロ健康大臣の南アフリカでの罵詈雑言発言はフランスのサッカーをさらに腐らせた。同大臣は「世界のヒノキ舞台でフランスの名誉を汚したのは貴方達だ、試合が終わったら監督を解任する」と言った。これに怒ったフィファ(FIFA国際サッカー連盟)からは「もしフランス政府がスポーツへの介入をつづけるのならば、今後サッカーW杯や他の選手権に参加を見合わせる」とのストップがかかる一幕もあり、政治とスポーツの関係でフランスはモラルの在り方に狼狽した。

結局は、ドメネック監督は自ら辞任に追いやられたかたちとなったようでいつのまにか消え去っていた。フランスサッカー協会(FFF)のジャン・ピエール・エスカレット会長も辞任した。新任の監督にロラン・ブランが就任した。世論は同会長だけの責任ではなくて、協会全部の責任者を解任すべきだとする意見もある。

しかしもっと根本にはフィファ(FIFA)連盟のフランス政府への勧告にあったように、政治家のスポーツへの口出しや利用があったのではないかと考える。さらには経済的なスポー支配が、選手たちの道徳モラルを低下させているのではないか。そこにこそ糾弾しなければならない責任の所在があるはずだ、しかしそれは隠れてしまったようだ。

スポーツ精神とは不正や売春行為を奨励し勧めるものであっては当然のこと無いはずであるし、政治家のスポーツ利用などもってのほかである。国の指導者の精神に内在する不実な態度は、自然風土の運行さえも喜ばない。それが人災や自然災害の多発する原因の一つともなる。人間精神の荒廃が社会に蔓延するからである。

フランク・リベリー選手らが売春相手の女性「ザヤ」と知り合ったのはシャンゼリゼ大通り近くのザマン・カフエである。未成年の売春女性が集まるので有名な店であった。彼女はフランク・リベリー選手の誕生日にドイツのミュンヘンの豪華ホテルまで出張しているという。二人は「ザヤ」(ザイヤ)が未成年であることを知らなかったといっている。犯行が成立すれば4万5千ユーロ(約55万円)の罰金と3年の実刑もあり得る。