2014年2月13日木曜日

仏上院でダッソー氏の「議員保護特権」解除を決定 新たに11億円の票買収疑惑が露見し拘置へ

パリ南近郊のコルベイユ・エッソンヌ市前市長で上院議員でもあるセルジュ・ダッソー(88歳)氏は選挙の投票買収などで拘置される可能性が高くなっていた。そのために10日、ダッソー氏は「議員保護特権」を自ら開示したいと宣言していた。14日昼近くに上院の26人で構成される小委員局では、このダッソー氏の10日の宣言を受け入れて決議が挙手方式でなされた。賛成派は14人で過半数を占めたためにダッソー氏の「議員保護特権」が解除されることになった。反対派の国民運動連合(UMP)など右派の10人は投票を棄権した。投票に欠席したのはジャン・ピエール・ラファラン上院議員(元首相)など2人であった。



今回の票決は挙手となり誰が反対し誰が賛成したのかを透明にした。しかしこのやり方にUMP議員などは反対している。

すでに2度に渡りダッソー氏の議員保護権の解除を要求してきていたが、いずれも却下されてきた。前回は、上院議員小委員局で社会党の議員の1票の反対(13対12)と棄権票1票のためにダッソー氏の議員保護権の解除はできなかった。投票は記載方式であったためにこの社会党の議員の名前はわかっていない。

しかし10日に、新たなダッソー氏の買収疑惑での証拠物件が出てきたために同氏は拘置されることになった。それはコルベイユ・エッソンヌ市の市民の名前が列挙されたノートで、わきに支払い済み未払いなどと書かれているものだ。これにより同氏は市民43000人の町で、700万ユーロ(約11億円)をばら撒いた疑いがもたれることになった。

このダッソー事件の周辺には汚職や脱税と資金洗浄などがあり、殺人未遂事件も起こっていて、フランス第4番目の富豪ダッソー氏との関係が調べられている。