2018年2月26日月曜日

イタリアの議会選挙前に 人種差別やファシズムの動きにデモ

(パリ=飛田正夫)若者の失業、難民問題、恒常的な経済危機の中で3月4日にイタリア議会選挙が予定されている。選挙を一週間前に控えた24日には、人種主義問題が火種になって、多くの反人種差別運動家や反ファシズム活動家によるデモが機動隊とローマやミラノなどイタリアのあちこちで衝突した。ジャン・クロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)欧州委員会委員長はこの選挙の結果はイタリアの政治的運営の困難性を引き起こすことになるだろうと悲観している。ヨーロッパはそれに対抗する準備が必要だとも22日に危惧する意見を出していた。これはイタリアの有権者がマテオ・レンジィ(Matteo Renzi)の初期に経済政策での成功は過小評価されていて、彼の民主党(PD)をイタリア人が信頼しななくなっていて、1993年に保守勢力の結成点としてシルビオ・ベルルスコーニの立ち上げたフォルツァ・イタリア(Forza Italia)とその連合の北部同盟(Lega Nord)とファシスト党の流れを汲むイタリアの同胞(Fratelli d'Italia)党への回帰が予測されているからだろうと見られている。欧州委員会委員長の見解はこの右傾化を恐れてヨーロッパ親派に投票することを狙ったもののようだ。

一方、ユーモリストのベッペ・グリオの創立したポピュリズムの5つの星運動(M5S)(le Mouvement des 5 étoiles)は、現在はスキャンダルで苦しんでいるということで、いずれも連立なしには政権は成立しない模様だが、右派の前進が心配されている。(フランス時間;‎25/‎02/‎2018‎19:52)

 【参考記事】
https://www.francetvinfo.fr/replay-radio/en-direct-de-l-europe/en-direct-de-l-europe-italie-le-retour-du-ducisme-a-la-mussolini_2604686.html
http://www.lemonde.fr/europe/article/2018/02/23/bruxelles-commence-a-s-inquieter-pour-l-italie_5261464_3214.html
https://www.francetvinfo.fr/replay-radio/en-direct-de-l-europe/en-direct-de-l-europe-italie-le-retour-du-ducisme-a-la-mussolini_2604686.html