フランス国営放送のテレビやラジオは局長がサルコジ大統領によって任命されている。そのせいなのか写真やビデオなど映像の出し方や説明表現が非常にうまくサルコジ支援を演出しているように思われる。これらメディアと政治の関係に関しての社会学的な研究が必要だが平等ではないようだ。昨日は大学の講師がラジオに出て話している中で、極右派の国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペンの票は最終的にサルコジに集まるのでどっちみち第1次投票では意味がないものだと話していた。しかし民主主義の選挙ではたとえそれが少数の支持者の代表であっても尊厳されなければならないはずだ。この大学講師の発言はどこかサルコジの右傾化を暗に応援し聴視者にそれを価値付けさせるような中立性に欠ける発言であった。それを聞き流すラジオ司会者(ジャーナリスト)にも責任がある。それは恒例の大統領選挙でのデバ(討論)が行われるがそこでの司会者(ジャーナリスト)の演出役割が非常に大きいからである。
調査会社LH2が18日に発表した最新のフランス大統領選挙の第1次投票ではフランソワ・オランド社会党大統領候補が30%で、サルコジ大統領は27.5%だとしている。そして第2次最終投票ではオランド氏は10%増の55%を獲得して3%減のサルコジ氏に勝利する。
しかし記事のタイトルは、「フランス大統領選挙:サルコジ第1次投票で前進」となっている。しかも前に書いた大学講師の発言と同じくマリーヌ・ル・ペンやフランソワ・バイル議長の民主運動(モデム)の伸びが後退していることを強調した表現になっている。
共産党が支援するジャン・リュク・メランション左派党議長は2.5%伸びて11%で快調だとし、ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV )の大統領候補であるエバ・ジョリ欧州議員(2.5%)やナタリー・アルトーさんの闘う労働者(Lutte ouvrière)などがその主要な犠牲になっていると表現している。
調査は3月16日から17日にかけて962人の18歳以上のフランス人を対象に調査したもの。