2012年4月11日水曜日

サルコジの福島旅行の嘘を見破るオランド 仏大統領選挙の勝利準備ができたと

 10日、フランソワ・オランド社会党大統領候補は8000人を集めブザンソンで会合を開いた。サルコジは先週からひっきりなしにオランドを批判して右派系の聴衆を喜ばせていた。これに対し今度はオランドが、「話に一部の真実が混在していても、嘘は必ず真っ赤な嘘になる」と、福島への旅をサルコジは詳しくかたっていることを彷彿させながら、「彼は福島に一度もいってなどいない」とサルコジ大統領の福島訪問を否定して語った。サルコジの講演の特徴を見破って嘘を糾弾している。「こんなことをいう大統領は共和国の歴史でかってないことだ」とオランドは結論する。サルコジのいう「波の高鳴りを感じる」とかの傲慢な態度を横目に、オランド氏は、自分を笑いものにした「サルコジの罠には落ちないことだ」と話した。同氏は大統領選挙に勝つ準備ができたことを会場に集まった人々に宣言している。



 サルコジ大統領は4月6日のノルマンディのカーン市での大統領選挙講演でこの福島訪問をしたという嘘の話している。(上掲載ビデオの、0:36.02/1:10:56の箇所以降から0:37/50/1:10:56辺りまでを参照のこと)

 「我々はナタリー・ コシュスコモリゼ(エコロジー担当相)と共に福島を訪問した」と同会場に参加していた彼女の方をサルコジは見ながらジャスチャーたっぷりに虚言を語ってみせた。最前列に座って聞いていたコシュスコモリゼの映像が映し出された。

 「見たところ、フランソワ・オランドは行ってない。行っていたらどうだったかがわかった筈だ」「福島はどうだったかというと、まず地震で、次に大きな津波だ、日本の幾つかの場所で我々がナタリーと一緒に見たのは」、とサルコジは口と眼をこわばらせて見せて、額に皺を寄せて会場の人々を見た。

 右手の指で輪を作って、これを上下に細かく震わせながら、「40メートルに達していた」「これが福島がどうだったかということだ」として、ついで右手を額にやった。そして、「自分はオランド氏の論理についていけないのだ」と話してみせた。サルコジはさらに、「私は日本の福島に行って」と口を斜めにつぐみ眼を虚空に睨みながら驚いて見せる表情がビデオ画面にでている。

 サルコジはオランドの論理について行けないという理由をここで話した。最初に封鎖する原発基地がヘッセンハイムであるのはその論理が合わないというのである。

 なぜならばは、「ヘッセンハイムがどこにあるかと急いで地図でみたら、それはアルザスだった。海岸から遠いところだ。津波が起こるわけがない」とサルコジは語った。それで、オランドの論理は可笑しいといって観衆の拍手をさそってみせた。「サンローラン・デ・ゾー原発基地はロワール川にあって、これも津波があるわけがない」といって、オランドを馬鹿にした。

 このサルコジの論理の下敷きには、サルコジが福島原発事故の直後に本当に福島を訪問したのだという嘘がそこにある。これが問題になっている。

 サルコジはベルリンの壁が落ちたときに自分はそこに居合わせた歴史の証人であったと大統領になってから発言したことがあり、その真偽が問題になったことがある。

 オランドは4月10日のブザンソンでの集会で、「自分も波の高鳴りを感じる」「それはサルコジをよしとしない人々の怒りの波であり、失意の波であり、憤慨する波だ」と話した。

 オランドは、「自分は人々を失望させる候補ではない。人々に希望を与える候補である」と話して、「自分は社会主義者でありエコロジストである」といった。2025年までに原発基地を減少させて、ヘッセンヘイム原発基地を閉鎖することを希望すると宣言している。

 オランドは、フランスと共和国のために4月22日の第1次投票、及び5月6日の第2次投票への支援を訴えた。

 会場ではオランド候補の大統領選挙責任者であるピエール・モスコヴィッチ議員がサルコジは「朝、昼、晩と嘘をついている」と批判した。

 2012年4月のカーン市でのサルコジの講演を見ると、国民運動連合(UMP)の支持者なのだろうか、会場でサルコジの話に喜んでいる人々が映像に映っている。

 しかしオランドのいうように福島を訪問してないで、現地にさも行って視察したかのように話したとしたら、それは政治家として失格であるだけでなく誤魔化しの話しで、フランス国民が嘘に浮かされて踊らされ喜んでいるわけで、その姿はなんとも哀れである。日本の福島の悲劇がサルコジの仏原発基地政策擁護のために、大統領選挙の右派の票集めの嘘で利用されていいはずがない。

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