2012年10月30日火曜日

サルコジ氏側近のバジル氏 カラチ・テロ犯罪と「公金洗浄・濫用隠匿」で取調べ

バラデュー元仏首相(1993-1995)時代の官房長官を務め同氏の大統領選挙運動の責任者であったニコラ・バジル(Nicolas Bazire)氏がカラチ事件の財政面での「公金濫用隠匿」の疑惑で10月29日に尋問を受けた。バジル氏はニコラ・サルコジ大統領のヌィーユ市長時代からの30年の友人でもある。また、最近ベルギーの国籍を取得しようとして世間を騒がせたルイ・ビトンやモエ・シャンドンなどの仏高級品製造会社LVMHグループのベルナール・アルノー( Bernard Arnault)会長の片腕としてもバジル氏は有名で、すでに2011年9月にルノー・バン・リュインベック判事( juge Renaud van Ruymbeke)とロジェ・ル・ロワール判事(Roger Le Loire)との調べをうけていた。今回はバジル氏は両判事から5時間にわたる調べをうけた。ル・ポワン誌(Le Point.fr)によると、当時サルコジ氏はバラデュー氏のスポークスマンで1993年から1995年までは財務長官の職にあったと指摘している。それならば潜水艦や艦船の販売に無関係であったとは思われない。今回のバジル氏の取調べがニコラ・サルコジ氏の裁判所喚問への道を開くことになるかもしれない。


ジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長の友人でもあるレ バノン人ジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)氏も同様に、カラチ事件での「公金洗浄」と「公金濫用隠匿」で取調べを受けている。彼らは事件との関係を否定している。しかし裁判所はバラデュー元仏首相が1990年代にパキスタンにアゴスタ潜水艦(90B)を8400万ユーロ(約84億円)とサウジアラビア(Arabie saoudite)にフリガート艦船(Sawari II)を2億ユーロ(約200億円)で売った事件での仏政府側要人側に違法の還流コミッションが支払われバラデュー元仏首相の大統領選挙資金に当てられ同氏の口座に全部で300万ユーロ(約3億円)の現金が入ったと疑われている。がバラデュー側では選挙運動でのバッチやティーシャツの販売額であるといっている。

チェリー・ゴベール(Thierry Gaubert)氏に対するカラチ事件での「証拠隠滅」と「公金濫用隠匿」の財政面での取調べは終わっている。ゴベール氏というのはサルコジ前大統領がバラデュー元仏首相時代に財務大臣であった時の相談役であった人だ。

7月末にゴベール氏の元夫人であったエレーヌ=デ=ユーゴスラビア妃(イタリ王ウンベルト2世の子孫)はパリ・マッチ誌に語ったところでは、「1995年にスイスのジュネーブのサフディ(Safdie)銀行に開設した金庫から現金を引き出しにチェリーは何度もスイスに旅行した。その度ごとに多量の現金をパリのニコラ・バジル氏とバラデュー元仏首相に手渡した」とチェリー・ゴベール氏から聞いた話を説明している。

ゴベール氏が警察で取調べを受けている最中にブリス・オルトフー前内相(移民相)が同氏の携帯に電話して、「(あなたの)エレーヌはしゃべりすぎる。我々をばらすことになる」と心配して話しているのが警察に傍聴されて話題になった。

1995年の大統領選挙でバラデュー元仏首相に勝利したシラク元大統領は政敵バラデュー側に還流資金が流れるのをストップさせる為にパキスタン政府側への当時は許されていた正規のコミッションをストップさせたと、2011年11月にドミニク・ド・ビルパン元首相が証言している。裁判所はこのコミッション停止を不服に思ったパキスタン側が、2002年5月のカラチの造船局で働く仏人12人殺害テロ犯罪の引き金になったとみている。

【参考記事】

Affaire Karachi: nouvelle mise en examen pour Nicolas Bazire

Créé le 29-10-2012 à 16h20 - Mis à jour à 16h50

Affaire Karachi: nouvelle mise en examen pour Nicolas Bazire

Créé le 29-10-2012 à 16h20 - Mis à jour à 16h50

By AFP
Published: October 29, 2012