2013年5月30日木曜日

タピ4030億円仏国家賠償は「仏第五共和制最大のスキャンダル」「サルコジも知っていた」

 フランソワ・バイル議長の民主運動(モデム)は29日メディアのインタビューに答え、サルコジ前仏大統領との関係の質問では、笑いながら「当然これを知っていた」「仏第五共和制最大のスキャンダルである」と話している。28日には、リヨネ銀行(事件当時は仏国立銀行)との係争でスポーツ用品の世界的メーカー・アディダス社社長ベルナール・タピ氏に4億ユーロ(約4030億円)をフランス国が支払う判決を出したが、この事件に関して3人の判事の1人が国家財産汚職の容疑で拘禁された。元仏経済相で国際通貨基金(IMF)総裁クリスティーヌ・ラガルド氏はサルコジ氏の指示を受けてタピ氏の仲裁裁判を組織したのではないといい続けている。

疑惑の判事はピエール・エストゥップ(Pierre Estoup)氏86歳で元ベルサイユ高等裁判所の総長を務めた判事であった。

 同判事は退任後は私設の裁判を組織していて企業家などを顧客にしていたがサルコジ前大統領時代の経済相で先日5月27日にフランスの裁判所に呼ばれて当事件の質疑を受け2日前にニューヨークに帰った現国際通貨基金(IMF)総裁クリスティーヌ・ラガルド氏がタッピ事件の仲裁裁判を決めたもの。総裁はサルコジ前大統領からの指示は無かったと主張し続けている。

 最近のエストウ元判事宅の家宅捜査で、裁判判決のお礼とみられるタッピ氏からの断簡がエストウ判事の所持するタッピ氏の書いた本の中から発見された。この手紙は二人の関係を示唆するもので重要な裁判操作が組織されていたとされる証拠物件だ。28日のインターネット新聞のメディアパート(Mediapart)社がすでにこれを伝え始めたが、29日にはラジオ・新聞など各メディア各が大々的に報道している。

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