2016年12月6日火曜日

トランプ プーチン 習近平と闘う戦士バルツが仏大統領出馬宣言

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎06/‎12/‎2016‎-17:55:04)マニュエル・バルツ仏首相は5日18時30分少し過ぎに開口一番、パリ南近郊のエブリー市で2017年の仏大統領選挙への出馬を宣言し、20分ほど話した。バルツは生まれ変わったようにこれまでの首相の立場ではなくて、自由に自分の考えを話し始めた。どこのメディアも重要視してないことだが、私はバルツの話しの中で2点重要なことを見た。1つはバルツが八方塞がりのフランス左派の分裂の中で、これを結集すべく闘う戦士の構えを見せた事である。バルツは米国のトランプ、ロシアのプーチン、中国の習近平と闘いヨーロッパをフランスを守りたいと述べたことだ。ここにバルツの社会党の新たな展開が期待できると思う。2つ目は、このエブリー市は私も良く知っている町だがいわゆる郊外都市の移民を多く抱えた町である。バルツは長らくここの町の市長であって、この市庁舎で町の無名の労働者たちをバックにして出馬宣言をしたのである。その居並ぶ顔の中にはスポーツ選手や歌手や有名な政治家などは一人もいなかった。フランスの日常の、つまり旅行者のイメージとは全く異なるフランス人、つまり黒人やアラブ人、アジア人の移民たちの庶民がバルツの背後に居並んでいたということである。


実はフランスの世界の現実がここに凝集されていたのである。多くのメディアや識者はこれを見ようとしない。社会の底辺で働く労働者移民の人たちだ。その土くれた顔はというとオランダ人のヴァン・ゴッフォの「ジャガイモを食う人々」の絵に出て来るものそのものであった。彼等はフランス人でありその祖先がアフリカから来たり東欧からやって来たした人々なのである。

あるジャーナリストはこのバルツの仏大統領選挙出馬宣言は、単なる小都市の市の代表のイメージの域を出ていないもので、これはフランス国のことではないと6日朝08時30分の国営ラジオ・フランス・アンフォでコメントしていた。

しかしこれは、バルツの出馬宣言に集まった人たちが世界の現状と運命とを背負った人たちであることを見逃した発言だったと思う。バルツがこの世界の虐げられた人達と運命を共にして闘うと決めたことは、彼を遥か遠くまで多くの人々を糾合してゆくことになると思える。

そこに大国の民衆を尊厳しない大統領や首相たちの覇権と闘うバルツの新しい社会党の意気込みがあり、フランスの国際社会での使命も感じるのである。オランドとサルコジとの違いもそこにあった。フィヨンがシリア民衆を虐殺するアサドを支援するプーチンを支持したりしていることにバルツは対立するのである。社会党左派のマルチノオブリーさんやメランション氏との結束も期待したい。