2011年6月21日火曜日

仏先導のリビア空爆は泥沼化=市民の犠牲を、NATO軍が認める 

6月18日夜から19日にかけてリビアの首都トリポリの庶民街を北大西洋条約軍事機構(NATO)軍が爆撃し子供とその親や家族が殺害され死亡した。NATOはこの誤爆を認めている。20日夜のフランス国営放送・テレビA2でも簡単だが報道されている。サルコジ仏大統領の先導したリビアのカダフィ軍空爆はすでに4ヶ月の期間が経過して米国も軍隊を出動できなくなっていた。仏英などは泥沼化するリビア攻撃にあせりを見せていたようだ。

リビア空爆はサルコジ仏大統領が開始したもので哲学者のベルナール・アンリ・レヴィと2人で決めたものだといわれているがその理由は明解ではない。その後で英国やイタリアなどに呼びかけ国連や米国、NATOに空爆の舵をにぎらせたが、米国の議会は長期化した戦争の継続には議会の信任が必要なために6月中旬ごろから戦闘を停止していた。

すでにNATO軍によるリビア市民への空爆を人権擁護団体や中国が疑問視しておりフランスの有名な弁護士であるジャック・ベルジェス師や元外務大臣のロラン・デュマ弁護士がサルコジ仏大統領を人権犯罪で訴えていて話題になった。またカダフィ大佐側では、フランス政府などがベンガジの反リビア政府臨時国家審議会(CNT)をカダフィ空爆の当初から認めることをして国内を分断する欧米の内政干渉を批判している。

平和を求めるのに何故空爆などが必要なのか、2007年秋にはカダフィ大佐を大統領官邸エリゼ宮殿に国賓として迎え戦闘機や原子力プラントの契約をしたサルコジ大統領がカダフィを空爆するのはチュニジアやエジプトにはじまる独裁者との友好が今後批判されることを恐れ「アラブ諸国の春」を支援できなかった政府の失態を掻き消すためだともいわれている。

夜中に空襲するやりかたには意味があるようだ。まともに目で見えてはできない蛮行が戦争である。人間を殺すのは軍人でも許されないが、市民への誤爆は許されるものではない。それが非人道的だという国際世論の監視の批判が起こるべきであろう。



(参考記事)
YouTube - Bavure de l'OTAN en Libye: ""






http://www.lemonde.fr/libye/article/2011/06/20/libye-le-regime-de-kadhafi-denonce-une-nouvelle-bavure-de-l-otan_1538565_1496980.html