2011年6月21日火曜日

【コラム】 仏の嵩む「戦争経費」=リビア空爆は80日で104憶円、 アフガニスタンなど軍人死は計算不可能

ラファール戦闘機を飛ばすのに1時間あたり13000ユーロ(約160万円)かかる。フランスはリビアの80日に及ぶ戦闘ですでに8700万ユーロ(約104億円)の経費がかかっている。アフガニスタンでの戦費も1日100万ユーロ(約1憶2千万円)以上かかってきている。これまでは年平均で2憶ユーロ(約240憶円)余りだ。しかし経費に上がってこない人間の死は戦争経済では軽視されている。今後戦争の新たな拡大があれば不足している戦闘員の徴兵が考えられ無料で投入されるだろう。
軍需産業を動かすために飛行機やロケット弾の軍事品の生産と消費のために戦争がおこなわれているようだが、それで攻撃された人間が死亡するわけだからこれを回避するためには、まず戦争を起こさないことだ。そして戦争産業を禁止することだろう。

ヘリコプター18機のために空母のトネール艦船がリビア沖で戦闘をおこなっているが、このヘリコプターは攻撃が困難なアフガニスタンでも13機使用された。

フランスはミストラル強襲揚陸艦(BPC)を先週ロシアへ売る契約を得た。現在開催中のパリ北近郊のブルジェ飛行場での航空展でも軍用戦闘機の売り込みに躍起となっている。しかし軍事製品は世界に戦争がない限り軍縮化の方向に国際社会が動き軍備は消費されることはない。戦争が増えることで軍需産業が拡大していく。

戦争で戦車や戦闘機やヘリコプターが爆破され莫大な金額の損失という消費が展開される。現在世界各地に展開中のフランス軍隊にはアフガニスタンだけでもすでに4000人が投入されているが多くは長期の遠征で疲労している。原子力空母シャルル・ドゴールなどはアフガニスタン戦争でインド洋から帰国するとまもなくリビア沿岸へカダフィとの戦闘に向かっていて休む暇がない。そのために新しい戦争の勃発は今のところ考えられないと見られている。

3月19日以来のリビアのカダフィ大佐への空爆攻撃は直ぐに終わると宣言していたが、市民殺害の誤爆がNATO軍の空爆で先週末にあって泥沼化が続いている。フランスは世界の各地で戦争をやっていてアフガニスタンでは62人目の仏軍人が6月18日に死亡し負傷者は476人を数えた。これは対戦がわのアフガニスタンやリビアやコートジボワール、ソマリア、チャドでの戦死者の数字ではない。

フランス議会は7月12日にリビアのカダフィ軍への戦闘継続を決める投票をおこなう予定だ。