2011年11月26日土曜日

サルコジ主張: 「原発廃止」が、フランスの「雇用破壊」?

25日、サルコジ氏は大統領選挙を意識したのか、社会党(PS)と欧州エコロジスト・緑の党(EE-LV)の先週意の原発の段階的廃止(現在の75%から50%に減らし混合エネルギー体制にもっていゆく)ことに反対する発言をした。最近有名になったトリカスタン原発(アビニョンの北50キロ)近くのアレバのウラニューム・ピエレラット(Pierrelatte)増殖工場の従業員を前に、サルコジは原発廃止はフランスの下請け企業を破壊することになると発言した。フランス人の関心である失業の恐怖を彷彿させてみせた。大統領は、「妄想(精神錯乱)が雇用を破壊する危険がある」と、大変に興味深い発言をしている。原発廃止を主張するのは妄想(精神錯乱)だということらしい。人間の妄想が雇用を破壊するというのも面白い。このサルコジ大統領の発言に対しセシル・デュフロ欧州エコロジー・緑の党(EE-LV)代表や環境保護団体のグリーンピースからも厳しい批判が出ている。
サルコジは未だに大統領選挙出馬を表明してないが、明らかにこれを意識した発言となった。

ルモンド紙fr.によると、サルコジ大統領は、原発の「65年間に渡る政治的合意を絶つことはフランス産業の雇用破壊の危険性があって許されないことで、それは妄想(精神錯乱)である」と、「その点で国益が問題であれば、私の責任性はそれは許されないと発言することだ」と強調した。

しかし、ドイツなどは妄想(精神錯乱)かどうかは知らないが、原発廃止を決め自然エネルギーへの転換で雇用も原発の2倍以上が生まれるという。フランスなどより産業も欧州では最も安定した発展が見られる。フランス財政危機での企業の国外移転や失業増大は原子力廃止運動とは直接関係はないようだ。大統領のいう反原発が妄想(精神錯乱)であるとは思えない。フランスの失業や雇用が生まれないのにはもっと別な理由があるようだ。むしろそれは柔軟に思考すべきことで、原発過信の妄想(精神錯乱)なのではないだろうか。

サルコジ氏は、24基ある原発基地を封鎖し新しい原発の建設を禁止する提案とは何を意味するのか。それは下請けの破壊ではないのか?といっている。

同様に、サルコジはこのピエレラット工場を訪問する少し前に、ボークルーズ県オランジュにある電気消費量の非常に産業である絶縁体用ガラス繊維生産のサン・ゴバン・イゾベェ工場を訪問した。ここでは、「進歩に背をむけ」ることは、「蝋燭の時代に帰ること」に等しいと、原発反対者である野党に対し言い放っている。

サルコジ大統領は明らかに原発の擁護者で、原発基地の危険性は本当に理解していない。失業を回避しようとしていることはわかるが、なにも原発基地でなくとも自然エネルギー産業でも十分に雇用は生まれるしそれを補完できる事実を話そうとはしない。

ここで、サルコジは以下のように宣言した。「あなたがたは、原発基地のおかげで電気量はドイツよりも2倍も安くすんでいる」「あなた方の工場への電気料金は安くなっている。あなた方の製品の競争には絶対に原発は必要なものである」と強調して話した。

しかし、福島のように放射能汚染で人が住めない状態になってしまったら、工場があっても誰も働けなくなることは話さなかったようだ。原発事故の本当の怖さがよく理解できてないのだろう。

そしてサルコジ大統領は続けて、「妄想(精神錯乱)が雇用を破壊する危険があるのだ」と大変に意味ある発言をしている。

「原発の下請け企業を問題にするのはそれは電気を多く使用する分野の工場の永続性が問題だからだ」(…)と話した。

「もし、エネルギー(電気料金など)が2倍になった時に、サン・ゴバンの工場はフランスに居られるだろうか?とあなた方は自問するだろう」とサルコジはいっている。

2012年度の仏大統領選挙候補のフランソワ・オランド社会党前書記長はこの日、左派系知識人を多く読者に持つリベラション紙のフオーラムに出席してその機会にサルコジ大統領の発言に答え、「原発はエネルギーの基本的な生産源として残る」とオランドはいっている。「私はエネルギー源の多様性を支持している。

つまり自分は原発削減を15年から20年のパースペクティブで現在の75%から50%まで減らすことを考えているが、同時に再生エネルギーの利用も進めていく」「使用年限が経過した原発もある。ヘッセンハイム原発は40年を経ている。私は古い原発基地が市民の安全のリスクを犯して稼動していることを欲しない」と述べている。

セシル・デュフロ欧州エコロジー・緑の党(EE-LV)代表は、サルコジが「故意にフランス人に嘘をついている」、また、「サルコジの親原発イデオロギーの中に、原子力を熱心に擁護する危険な反啓蒙主義者の証拠立てが合成されていると話した。


デュフロによれば、サルコジは原発問題での嘘や怪しい不真実を掛け合わせて増やしているという。

デュフロさんは、サルコジ氏が肯定しているのとは逆に、原発廃止は永続性のある雇用を保証するものだとしている。ドイツが証明しているように原発エネルギーの廃止転換は多くの雇用を生み産業と社会にとってもすばらしい好機をもたらせてている。

サルコジ氏のいう下請け企業の破壊が問題なのではなくて、今後、原発廃止で起こってくる原発解体での安全確保の保守企業や原発基地と物質の管理企業などを準備しなければならなことだとデュフロさんは批判している。


原子力監視協会の指摘によるとフランス大統領サルコジの精神では、「フランスが唯一世界で進歩に背を向けた国になる」しかし、「フランスは原発解体国か、もしくは、原発廃止期限の終了を待って更新しない国(ドイツ、ベルギー、ルクセンブルグ、スイス、イタリア、スペイン)に周囲を取り巻かれてしまった」といっている。

また原子力監視協会は、ニコラ・サルコジが原発廃止は電気料金を上げて企業の競争力を弱めると主張していることで、フランスより電気料金が2倍高いというドイツでは、フランスよりも競争力があるのはどうしてなのか?と同様に矛盾を指摘している。

環境保護団体のグリーンピースは、サルコジと与党政権の国民運動連合(UMP)は、フランス内外での原発基地解体事業が莫大な雇用を生むことを知らないふりをしていると批判した。また解体基地の原発廃棄物処理管理と再生エネルギーの開発で特に多くの雇用が期待できることを示している。