ウィキリークス「米外交公電」特約5社に加え、スウェーデンの新聞社が入手先秘密で独自取得
ノルウェーのアフテンポステン紙はウィキリークスとの特約がある世界の5つの大新聞社に加えて6番目の新聞社となった。しかも同社だけが米国外交公電を自由に掲載できる新聞となった。2010年末に総計251.287件に及ぶウィキリークス公電文をウィキリークスとの契約とは無関係に独自に取得したためだ。このためアフテンポステン紙は米国の「ニューヨーク・タイムズ」、英国の「ガーディアン」、スペインの「エル・パイス」、ドイツの「デア・シュピーゲル」、フランスの「ルモンド」などを介さずにしかも契約停止期限がなく自由に情報公開ができる。公電資料は盗んだものではないとしても入手先は秘密のままだ。
アフテンポステン紙はノルウェーで最も影響力のある新聞で発行部数は朝・夕刊で45万部を誇る保守系の新聞でジャーナリストが740人ほどがいる。
同氏編集長のエリック氏がインターネット新聞「リュ89」に語った興味深い話を紹介したい。それによると「9月末にウィキリークス情報がでたときに、すべての大新聞でも同じだことだと思うが、わたしもそれを探しに出かけたのです」と答えている。
2ヶ月ほど後の12月8日になってからやっとノルウェーに関する資料の一部を取得することができた。その数日後に今度は資料全部を獲得することになったと話している。これが読者に知らされたのが12月17日の紙上であったという。
現在は30人近いジャーナリストが内部告発サイトのウィキリークス公電文書(251.287件)に取り組んでいてこれまでに目が通されたのは資料全体の10%あまりで公電にすると約2500電信分ということらしい。
ガーディアン紙の試みである読者がテーマを選び新聞社が最終的に決めてゆくというやり方に関しては、アフテンポステン紙は読者参加の知的なアプローチだと見ている。
アフテンポステン紙では毎日2~3本のイラン、中国、インド、ドイツなど多くの国の記事を発表してきている。最近、「フランスは世界の産業スパイのチャンピオンになったのか?」とのアフテンポステン紙の公開した記事は、フランスのルモンド紙からは報道がないもので、大きな反響を巻き起こしている。
編集長は、アフテンポステン紙の読者には既にウィキリークス公電を利用して書かれた記事は報検索が自由にできるようにしてあるという。
アフテンポステン紙がウィキリークスやその創始者のジュリアン・アサンジ氏といまだに接触してないことに関しては、編集長は「公電文書を私が得た事実をアサンジが知っているかはどうかは知らない」しかし、「アサンジ或いはウィキリークスが反応してくるとは思えない」。
もしも、私がアサンジに資料を盗んだことになるのか?と質問したら、彼の返事はおそらくは「それには答えはない」というだろうとしている。