2011年2月28日月曜日

2月29日急激な内閣改造、サルコジ大統領の責任2大臣MAM、オルトフゥ辞任で終わるか

 2月29日、サルコジ大統領が内閣改造を発表した。ミッシェル・アイオマリ外務大臣(前内相、元防衛相、MAM)は辞任。アラン・ジュッペ防衛相が外務相に就任。防衛相には元経済相・国民運動連合(UMP)上院議長のジュラール・ロンゲが就任。ブリス・オルトフゥ内務大臣は辞任、これに変わりゲラン大統領官邸書記総監が就任。

サルコジ大統領は29日夜20時のフランス国営放送・テレビA2で、7分ほど話たが、その中でこれまで軽視してきた人権と民主主義の立場を擁護しているのが特徴的な発言となっている。その立場からアラブ諸国の独裁とイスラム世界のテロリズムを裁いている。しかしこれが現在のフランス外交では、MAM外相やフィヨン首相が独裁者からの家族招待旅行を受けたり、ブリス・オルトフゥ仏内務大臣などがデモ鎮圧のテクニックをアラブ諸国の警察に指導していたためにほとんど説得力がない。

独裁国チュニジアやエジプトへの年末から年始にかけてのフィヨン首相やミッシェル・アイオマリ外務大臣による家族旅行は、チュニジアやエジプトの民衆の革命の胎動を理解しない独裁者の恩恵をうけたもので、これが大問題になっての今回の辞任の理由の引き金になっているといわれる。

今回の内閣改造は急激な対処策としてサルコジ大統領とフィヨン首相らが相談して決めたといっているが、これで収まるとは思えない。大きな不満が内外に鬱積しているために、単なる一時的なガス抜きでしかないのではないかといわれている。

ミッシェル・アイオマリ外務大臣の責任者はやはりサルコジ大統領の命令通り動いていたのだから、本当の責任はサルコジ大統領にあるとみるのが正しい。MAMは問題だが、しかしこれに全責任を負わせて解決したと考えるのは誤りだ。