国際通貨基金(IMF)前専務理事のドミニク・ストロスカーン(DSK)氏の後任者としてなぜ欧州諸国がクリスチーヌ・ラガルド仏経済相を支援し、なぜ南の開発途上国から候補者をださないのかについて二人の財政・金融のスイスの専門家の興味深い話しが5月31日の「SWISSinfo.ch」に掲載されているので紹介する。
5月29日にフランスのアラン・ジュッペ防衛相がラガルド経済相の国際通貨基金(IMF)専務理事への候補を宣言した。先週スイス政府はその欧州による仏経済相支援の陣営には直ちには加わらないとして、6月10日の候補者締切日を待って全候補が出揃ってから決めると発表した。
スイスの選択肢はもし人材が南の開発途上国にいればそれを支援したいという方向で考えている。
国際発展高等研究所(HEID)のセドリック・チール教授はスイスは「彼女への信頼を失っていて、BRIC とよばれる(Brèsil Russie Inde Chine)
や南アフリカの開発途上国へ視点が向いている」と話した。
財政・金融の専門家であるシャルル・ワイプローズHEID教授は「欧州がフランスのラガルド経済相を押すのはギリシャをはじめとする借金国をIMFと交渉させ援助させるためだと」見ている。DSKの指揮下でIMFは借金の欧州への貸付額を公式に決めて合意を打ち出したが、こんなことはIMFの歴史でなかったことだと指摘している。さらに続けて、「これは私がDSKを批判する唯一のものであるが、欧州に不都合な利益援助企画を彼が合意したために、FMIの専務理事を(ヨーロッパの圧力で)辞任させられたのだともいえる」としている。なぜかというと、彼こそがフランスの大統領として最良の候補だったからであると同教授は見ている。
「私の考えでは、ギリシャやアイルランド、ポルトガルなどへの救済計画はサルコジ仏大統領やドイツのメルケル首相の選挙利益に影響されて、高利の貸付になっていてよくないと考える」とワイプローズ教授はいう。 この点に関してのチール教授の意見も同じで、「ギリシャはもっと早い時期に安い金利でIMFが直接に援助すべきであった」と言っている。「昨年は1憶1千万ユーロ(約 円)ほどをギリシャに授与したが、ギリシャの赤字は目的水準を満たさずに借金返済は困難になっている」 「1990年合意の超リベラルなアプローチとして考えられるワシントン合意の名で資本の流動性をよりよく開きより早く交換率を柔軟に南の開発途上国に対する DSKの指揮下でするべきであった」とワイプローズ教授は語る。
DSKはIFM内部に南の開発途上国諸国の少数派の声を好意的に伝達するのに成功した。この流れを欧州はクリスチーヌ・ラガルド経済相を支援することでDSKが始めた南に好意的なIFMの方向天下をストップさせようとしている。「もしフランスの彼女が選ばれるとなると南の開発途上国からの反対が高まる」とセドリック・チール教授は見ている。
(参考記事)