7月17日、フランスの大衆的全国紙 パリジィアンによると、米国チームは負けることは予定になかったという。日本の勝利がまったく予想外で大変な世界サッカー界の驚きであると伝えている。ドイツのフランクフルトで開催された世界女子 サッカーワールドカップ(W杯)決勝戦では米国と日本とが戦い2対2の引き分けの後、PKで日本が得点し優勝したが、フランスのテレビは20時のニュースでも試合後の深夜のニュースでもこのサッカーW杯の決勝戦については一言も触れなかった。
パリジィアン紙によると、米国チームのフォワード選手アビィ・ワンバッチさんは、日本チームは2度うちのめされて、2度蘇生した。彼女たちは沈むことがなかったと話しているという。
フランスの国営テレビでの報道が皆無に等しいのは、女性のサッカーなので興味がないのか、夏のバカンスで記者がいなかったのかはわからない。おそらくは一番の理由というのは、フランスのスポーツ界が南アフリカのサッカーW杯以来、人種別選手選定とかの不手際の後遺症が今も続いていているからなのだろう。政治的に利用価値がなく報道することがかえってフランス政治の災禍を匂わせることだとしたら、これはスポーツに対する大きな認識の誤りではないだろうか。
女子W杯ではフランスは4位で振るわなかったからなのか。現在行われている人気の無いトール・ド・フランスを他にこれしかニュースがないかのように騒がしげに大きく取り上げている。
フランスは冬季オリンピックの開催地候補選でも韓国と争って負けた。韓国までフィヨン首相やシャンタル・ジョアノスポーツ大臣が出かけていって応援した。そこでフィヨン首相は記者会見してがっかりした様子もみせずに、次の成功の教訓を引き出したいと抱負をかたった。これに対しパリ側サイドでインタビューを受けたスポーツ専門の新聞エキップの記者は、フランスがこれまで候補地獲得を逸してきたのは一回二回ではない。教訓を生かすのは前にもあったはずだと厳しく語った。
国営放送フランスA2の司会者はこれ以上スポーツ記者に何を話されるのかわからないと心配している様子であった。スポーツ記者が政治家に対し本当のことをいうのは見ていてやはり気持ちがいいものである。政治がスポーツを利用する風潮はすでに歴史的に古代からあるが、逆にこれを切り返してゆく風潮というのもスポーツの現場で出されたのが印象的であった。やはりその独立性を現場から獲得すべきなのだろう。
7月13日、日本はスエーデンに勝って、米国と女子ワールドカップ(W杯)の優勝を争うことになった。ドイツのフランクフルトで開催されている世界女子 サッカー選手権では、準決勝で日本の女子サッカ=チームがスエーデンに3対1で勝ち、米国はフランスに勝って決勝戦出場となった。(JTS /)
参考
http://www.leparisien.fr/sports/foot-feminin-les-japonaises-championnes-du-monde-17-07-2011-1535917.php