5月6日、仏大統領選挙の最終決戦投票をむかえた。大統領候補のサルコジは渦中の人である。2002年5月8日にパキスタンで起こったカラチ殺害テロ事件や、リリアン・ベッタンクール政治資金現金手渡し事件。リビアの独裁者ムアマル・カダフィ大佐からの2007年の政治資金献金問題などがサルコジ大統領周辺で騒がれている。その中でむかえる第2次投票となった。サルコジの嘘はジャーナリストによってではなく対抗候補のフランソワ・オランドによって初めてその嘘の虚構が暴かれた。誤魔化しの嘘を暴露すことで正義が顕われ、国が亡国とならずに栄えてゆくことは道理でもある。それが今日の最終投票で裁かれる。
行ってもない福島に視察に出かけたとするカーン市でのサルコジ発言は、原発基地事故で苦しんだ人々を自分の名声に利用する恐ろしい冒涜の宣言なってもいる。
大統領が嘘を作り上げて手振り身振りで大勢の前で講演したその姿はまったく異常なことである。
もしフランス共和国に正義を顕し守ろうとする守護の神が存在するならばこの嘘で自分の正体を隠す真言流の悪戯を暴き砕くことをするはずである。
それが今日、裁かれることになるはずである。
もちろん、ここでいう神とはサルコジやその周辺の取り巻きが主張してきたキリスト教文明が世界最高だとする誤った誤魔化しの認識ではなく、キリスト教そのものではないことはいうまでもない。
それはフランス革命によって政教一致を拒否したフランス共和国の人々の市民の中にある良心であり善論のことである。
第1次投票では近年にない市民参加の選挙となって、棄権者は20.53%と低くなっている。もし前言を守護し正義を守ろうとする人々が多ければ、必ず第2次投票はサルコジを裁く選挙となるはずである。
第1次投票ではフランソワ・オランド社会党大統領候補が現役のニコラ・サルコジ氏を引き離し28.63%対27.18%で勝った。現役の大統領が第1次投票で負けたことは共和国の歴史で初めて。