2012年12月21日金曜日

仏原子力産業の将来に危惧 中国への技術移転で ローベルジョン元アレバ社長が暴露

フランス原子力産業のリーダーであるアレバ社の元社長アンヌ・ローベルジョンさんは中国広東省原子力発電会社(CGNPC)への原発基地計画で知識権が流出されることで、アレバ前社長アンリー・プログリオ・フランス電力(EDF)社長らと衝突したことが10日ほど前に仏経済紙レゼコー(Les Echos)に載った。ローベルジョン社長の時代にアレバ社はフランス電力(EDF)抜きでアラブ首長国連邦からの受注要請に応えていたが、契約はエリゼ大統領官邸との関係でうまくいかなかった。そのうちに韓国電力(Kepco)との契約が2009年末に決まってしまった。フランス側の責任者がまとまって原子力契約を奨めなかったことを失敗の原因だとしてローベルジョンさんが当時の政府の態度を暴露した。

2010年のサルコジ前大統領下のフィヨン前首相政権では、政府株が主用でないフランス電力(EDF)とCGNPCとの交渉は必ずしも仏政府の合意を待たずして進められるようになっていた。

ローベルジョンさんはミッテラン元大統領の側近でサルコジ氏がアレバ社長を辞めさせている。プログリオ氏はサルコジ前大統領が同社の社長に任命している。

将来、世界の原発基地の半分が中国で建設されて中国はその大市場の鍵となるが、同時に中国へフランスの原子力技術が移送されて、このままだと国際市場でフランスと競合してくることは確実でそれが懸念されている。

この技術移転を問題として両者間の契約書のコピーをアレバ社組合では要求している。それが将来的にフランスの支社になるのか?どのような条件下で何を目的とした契約なのか?どこまでを中国と共同するのかなどが問われる。

フランスと中国との原発基地建設は25年前から続いているが、その合意契約での技術移送の中味が不透明なのが問題だという。2012年4月と9月に左派系の週刊誌ヌーベル・オブセルバトワールが両者の契約合意を暴いたが反駁されている。

フランスの原発基地開発は世界的に知られているが次第にその競争力は低下しているようだ。

なおこの情報には同時に起きたアレバ社労働組合員のパリ南近郊イブリーンヌ県の自宅で起きた暴力事件の報道と重なっているところがある。




【参考記事】
Ambiance électrique dans le nucléaire français


http://www.slate.fr/story/65465/nucleaire-chine-areva-edf-oursel-proglio-lauvergeon
ACCUEIL > ECONOMIE > EDF-CHINE : RÉVÉLATIONS SUR DES NÉGOCIATIONS ATOMIQUES

EDF-Chine : révélations sur des négociations atomiques

http://tempsreel.nouvelobs.com/economie/20120925.OBS3472/info-obs-edf-chine-revelations-sur-des-negociations-atomiques.html

 RÉVÉLATIONS SUR DES NÉGOCIATIONS ATOMIQUES EDF-Chine : révélations sur des négociations atomiques