2012年12月20日木曜日

タピ氏が南仏の有力紙を買収 マルセーユ市長選挙の準備か?

 サッカーのマルセイユチーム会長、スポーツ用品のアディダス社長などを務めた実業家で元大臣でもあるベルナール・タピ(Bernard Tapie)氏はヘルサン・メディア・グループ(GHM)の所有する持つ南仏をカバーするメディアを5000万ユーロ(約50億円)で2社を共有したと仏国営ラジオ・フランス・アンフォなどが報道した。この買収でフランスにおけるメディアの独立性が脅かされるとジャーナリストは心配している。タピ氏はマルセーユ市長候補の選挙運動の準備にかかっているのではと政治のメディア支配が心配されている。
 プロバンス紙のジャーナリスト組合では、「この買収はタピ氏にどんな政治的な目論見があるのだろうか?」、「ヘルサン=タッピの現実的な計画は何なのか?」と心配している。タピ氏のやり方はかなりのジャーナリストには知られていて、タピ氏には「倫理的・道徳的な思想がまったく垣間見られないことだ」と左派系新聞リベラション紙に元「メリヂオナル紙」(現プロバンス紙)の記者は語っている。

 またサルコジ前大統領の肝いりで国際通貨基金(IMF)総裁になっているクリスチャン・ラガルド氏はタビ氏への賠償金問題で正規の裁判手続きをとらないで、サルコジ前大統領政権下で経済相を担当していた時代に調停裁判を組織して大金を出していたことが問題になっている。

 GHMは215億円の借金で苦しんでいた。タピ氏の買収したヘルサン・メディア・グループには南仏の地中海とローヌ川地方をカバーする「プロバンス紙」、「ニース・マタン」、「バール・マタン」「コルシカ島マタン」及び、仏海外県の「フランGHMにおけるス・アンチーユ諸島新聞」「グアドループ新聞」「マルチニック紙」「フランス・ギィエンヌ紙」などがある。

ベルギーのロゼール(Rossel)グループによって、GHMはすでに仏北東部地方をカバーする「シャンパーニュ・アルデン・ピカルディ新聞」、「アルデン紙」「ユニオン」などが買収されていた。

GHMは12月7日にRosselからの今回のオファーを取り付けるところをタピ氏が落としたもの。タピ氏自身はマルセーユ市長選には出ないといっているがこれを鵜呑みにする人はいない。

【参考記事】

Bernard Tapie met la main sur 7 journaux

http://www.europe1.fr/Economie/Bernard-Tapie-met-la-main-sur-7-journaux-1354029/