人間が賢くなって進歩してきたというのが近代の理性の歴史である はずですが、その認識が誤っていたということが現実問題から突き つけられているのが面白い。自分で自分の頸を締め付けることにな り、今頃大騒ぎしているのです。私はいまから40年以上まえに、 「国土泰平天下安穏は、一人より万民に至るまで好む所なり楽(ね が)ふ所」であるから戦争などは誰も好んで無い、誰も「世界平和 」を願っているのである。その理想は、「世は義農の世と成り国は 唐虞(ぐ)の国とならん」という誤った考え方や思想を可笑しいと 批判する立場を支持していたのです。つまりは、人々が誤れる思想 のままに「世界平和」を願って様々に祈り行動してみても、「世界 平和」どころかその逆の戦争が始まってしまうという考えなのです 。これは一般にはなかなか理解しにくいところがあるのは確かです。しかし今ならよく理解が行くのではないで しょうか。原発や戦争法案やセシウムや放射能や殺虫剤で苦しんで いるのですから・・・・・。いま農業や食物が危険視され「義農」 が求められるのは、「立正安国論」に示された無間地獄への一過程 に我々の社会があることを示すもので、まさしくその誤りの進路の 只中にある証拠なのだと私は見ています。ですから、農業が大事だ と人々が騒いではいますが問題は何も解決しないのです。(パリ=飛田正夫 2015/06/17 22:36日本標準時 )