2013年11月12日火曜日

FIFA国際サッカー連盟が仏政府権力のスポーツ介入にストップ勧告

フィファ(FIFA国際サッカー連盟)は今後も不当な干渉があれば、総ての世界選手権へのフランスの出場を禁止することになるとして、ロゼリーヌ・バシュロ仏健康相の、フランスサッカー協会(FFF)のジャン・ピエール・エスカレット会長解任発言に対し、フランスは勝手なことはできないと26日、注意勧告した。政治権力がスポーツ組織フィファ(FIFA)の独立性を脅かしてはならないと指摘している。http://www.laprovence.com/actu/region-en-direct/video-le-journal-des-bleus-la-fifa-menace-la-france

フランスがサッカーW杯の最中に練習ストを決行したが、その内容はどうであったのか口を閉ざしていて誰も話そうとはしない。サルコジ大統領はチェリー・アンリー選手をエリゼ宮殿に迎えたが、この日はフランスの労働者が政府の定年年齢引き上げ法案に怒ってフランス全国で200万人が抗議した日である。こんなときにチェリー選手と会うことが大統領の正しい政治日程なのかと?とサッカーが優先する大統領の姿勢に疑問の問いを投げかける市民も多いとリベラション紙などは伝えた。

サッカー選手も監督も同様にそういう社会の現実から遊離した態度をとっていて、選手達はフランスの代表であることも忘れていると指摘されている。フランク・リベリー選手は一ヶ月80万ユーロ(約1億円)稼ぐが同選手の未成年を相手の売春もその金から出ている。労働者は60歳の定年が62歳から67歳までの間で延長されるというのにそういうことにはお構いなしのチェリー・アンリーの他を省みない大統領との会見要求は何を目したものか発表もされない。これを受け入れた方も共にその常識程度が問われている。レイモン・ドメネック監督は南アフリカの監督とは握手を拒否していたことで世界から不評になっただけでなく、フランス人も恥ずかしいと感じているわけだ。(本文の初出 / 公開日時: 2010年6月28日 @ 3:04 )

このことで、ロゼリーヌ・バシュロ健康相は議会で、「フランスチームは敗北しただけでなく、あなたたちのせいで世界のヒノキ舞台でフランスが恥じをかいた」と発言した。選手達を「精神的に幼稚だ」として凄い形相をしながら「道徳の危機である」と非難し、「試合が終わったら監督を替える」と息巻いていた。それならばもし勝てばその恥は消えてしまい無視されるとでも考えていたのだろうか。そこに政治家の本当の無責任な姿勢が露見されているのではないか。

ある演劇家はテレビの討論でチェリー・アンリー選手のハンドリングでサッカーW杯の出場権をフランスは手に入れたが、その時点で、「フランスチームは、W杯には出場しないか、再試合をすべきであった」と、勇気ある発言をしている。

しかし多くのフランスの論調は、「チェリー選手の神の手」だとか言って正面から批判するフランス人は少なかったし、スポーツ担当相やサルコジ大統領も「みんなで応援しよう」「危機に呼応するのはスポーツ」だとして張り切っていたし、政府はスポーツに力をいれサッカーへの国家的支援局を策定することを打ち出したりしていた。こういう傾向を心配していたマリー・ジョルジュ・ビュフェ共産党前書記長(元青年・スポーツ担当相)の発言は重かった。

ビュフェさんはサッカーW杯の世界的な人気をあげながら、「サッカーが個人の精神と肉体の開花を目的にしたものでなくてはならない。サッカーで政治の問題をすべて解決しようとする考えは誤っていて危険である」と発言していたわけだ。ついにフィファ(FIFA国際サッカー連盟)のフランス政府責任者への勧告となった。

(参考記事)
(ラ・プロバンス.com)
(リベラション紙)
(ニュース・セネガル )