パナマの独裁者マヌエル・ノリエガ旧国防軍司令官(76)の不法財産および不法資金洗浄の罪を裁く裁判が28日より30日までパリ軽罪裁判所で審議される。ノリエガは1980年代に麻薬王としてコロンビアの連合企業を使ってアメリカへのコカイン密輸で莫大な不法利益を上げていて、その利益のうちの230万ユーロ(約3億円)に相当する不動産をパリの高級街家屋の買収にあてて資金洗浄していた。今回はその再審となる。ノリエガは1990年以来、アメリカでの刑に服して10年の刑期は終えていた。フランスでは1999年7月1日の裁判に欠席しており10年の刑が宣告されていたもの。(本文の初出 /公開日時: 2010年6月29日 @ 0:01 )
スイスやオーストリア、英国の銀行にも不法資金が隠されているとも指摘されている。しかしノリエガはこれらすべてを否定している。6月4日パナマ政府はノリエガの送還を要求した。
フランス政府はノリエガのフランスへの移送が決まった5月27日直後に、ノリエガの大統領時代に授与した仏最高褒章のレジョン・ド・オヌール勲章の取り消しを密かに発令していたと日曜新聞(JDD.fr)は伝えた。
4月27日にフランスへ移送されてからは、病院監獄の特別室にVIP待遇でいた。脳出血と心臓に問題があるらしい。
ノリエガのフランスの関心は「アメリカがノリエガにどのくらい奉仕し、ノリエガを最終的に(早期に)解放したのか」ということらしい。
コロンビアの貧しい家庭にノリエガは生まれ、長い間パナマのCIA米国秘密情報局員として働いていた。ノリエガは一般の人では面会のできないような人物と会合している。リビアのカダフィ大佐やキューバのカストロ将軍、ブッシュ前米大統領、などの名前があげられる。
1988年には麻薬取引罪で米連邦大陪審に起訴され、1990年米国はノリエガを逮捕。92年にはマイアミ連邦地裁から、禁固40年の判決が下っていた。
(参考記事)
日曜新聞(JDD.fr)http://www.lejdd.fr/Societe/Justice/Actualite/Noriega-un-ex-dictateur-en-correctionnelle-203124/
(ヌーベル オブセルバトワー.com)http://tempsreel.nouvelobs.com/actualite/monde/20100605.OBS5038/le-panama-reclame-l-extradition-de-noriega-a-la-france.html