2015年5月2日土曜日

ファシストは女性マリーヌ・ルペンの素顔 パリ・オペラ座前でフェメンがヒトラーに似せて抗議

上半身露出で政治抗議することで有名なフェメン(femen)が、5月1日のメーディーでパリのオペラ広場やフランス広場で後援するペンの極右派系フロンナショナル(国民戦線FN)党を、フアシズムを推進したヒットラーに似せてこれに敬礼する演技をしてみせた。マリーヌ・ペンはオペラ座正面の演壇に立っていて、フェメンの三人はホテルのバルコンからそれに呼応するようにヒットラーに挨拶をする演技となる、よく計算されたすばらしい抗議行動を行い人々を驚かせた。
まず初めに父親の(FN)党前総裁ジャン・マリ・ルペンが一人でルーブル美術館近くのフランス広場にあるジャンヌダルクの騎馬像の前で花束を捧げた。このメディーの日にここに花を捧げる慣わしは、FNの伝統であったが、仲たがいしている娘のマリーヌ・ペン総裁は同席しなくて、父親が一人でした。

そこに裸の二人のフェメンが突如として現れ妨害したが、すぐにFNの屈強な特別警備員によって羽交い絞めにされて取り押さえられた。

その後でペン氏はオペラ座で公演する娘のマリーヌのいる壇上に勝手に上り挨拶をしたが、これは飛び入りで娘マリーヌの予定していたものではなかった。そのときに、パリのオペラ座周辺をご存知の方は承知のことかと思うが、オペラ座を正面にして左側にグランド・ホテルがありその下が有名なカフェ・ドラ・ペ(平和のカフェー)になっている。

もちろんこの二つは内階段でつながっている。そのオペラ広場側のホテルの一階バルコンに3人のフェメンが姿を見せて、フロンナショナル(FN)党のマークをナチス第三帝国式のスタイルの横断幕でぶら下げてみせた。

3人はナチス・ヒットラーに敬礼するしぐさを演じて見せたのである。このときにも警察ではなくて、FNの特別警備員がすっ飛んできて乱暴にこの旗をはずし、3人の上半身裸の女性たちを無理やりホテルの中に退去させている。

このことで国営ラジオフランスアンフォのインタヴューに答えたフェメンの責任者イナーブ・シェフシェンコさんは、ナチズムは女性であるマリーヌ・ペンの素顔の裏に隠れていることを指摘しそれを暴露することが今回の目的だったと語った。フェメンが抗議行動をする場合には何時どこが一番効果的な抗議になるかよく計画して行うのだと話している。

この3人のフェメンの介入で、長時間にわたりマリーヌ・ペンの講演は途絶えたことは大成功であったと語っている。この時にテレビ局3社のジャーナリストがFNの警備員に危害を加えられている。

ここで、つまり5月1日に極右派系フロンナショナル(国民戦線FN)党総裁マリーヌ・ルペンはオペラ座の前で何を話そうとしたのだろうか?そして「フェメン」の騒動の目的はなんであったのか?が、あまりフランスの新聞では論じられてないようだ。

「フランスソワールfr」とか「ユダヤ世界」それと軍事産業セルジュ・ダッソーの新聞フィガロ(Le Figaro.fr)などが書いていますが、論点が少しずつ異なっている。

マリーヌ・ルペンがそこで話したのは、サルコジが鼻先を哲学者のベルナール・アンリー・レヴィー(BHL)に引っ張られて、リビア空爆をやって、統制のない混迷する国にしてしまった。(カダフィ)の悪よりもさらにひどい最悪の状態を作る原因となった。無法地帯となったリビアはヨーロッパへの最良の取り締まりのない港となり、現在の地中海の移住難民の遭難事故を多発させることになった。その責任者だとサルコジの空爆を糾弾している。

この点はさすがフィガロ紙は書いていない。マリーヌ・ルペンは社会党のオランドやバルツの移民政策のゆるさも批判をしている。

ところで、この一大野外劇場となった5月1日のオペラ座前の広場だが、いったいこの「フェメン」の騒動は、周到な計画とそれを支える詳細な情報がなければできなかったということだ。

このフィルムを見て思うのだが、確かに映像の編集はここではほとんどない。しかしよくできすぎていて話の筋がすでに理解されて記録された映像のようでもある。他局のもので編集が目立つが、国営放送テレビ・フランス24などは非常によい記録をしているフィルムもあった。「フェメン」の騒動にはよく理解できない不思議なものがある。政治的目的とその逆機能ということを誰か考察してほしいものである。

【参考記事】



Trois hommes semblant appartenir au service d'ordre du FN ont arraché les banderoles des Femen avant de les arrêter violemment.
FRANCETVINFO.F