2016年6月2日木曜日

スイスでアルプス下を走る世界最長級鉄道トンネルが開通

(パリ=飛田正夫2016/06/02 13:13日本標準時 日本時間)17年かかってスイスは6月1日にスイス側アルプス山脈下を通過するサン・ゴタール(Saint-Gothard)鉄道トンネルが開通式を行った。このトンネルはアルプス山脈の下を走るもので、サービス用のトンネルを入れて全長57キロのものが3本ある。イタリアのミラノとスイスのチューリヒ側を45分ほど短縮させることになる。毎年スイスのアルプス山脈を2600万トンの貨物が通過していて、その80%がイタリアとドイツ・オランダ方面を結ぶトランジットになっていた。エコロジーの観点からもスイスがトンネルの建設を進めていた。この手のものでは世界一。ヨーロッパにおける北側と南側の交通地図を塗り替えるものだと言われている。2020年までにイタリアのジェノヴァ(Gênes)とオランダのロッテルダム(Rotterdam)港との間での貨物量を今の20%増大させることを可能にするという。開会式にドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領、イタリア首相マッテオ・レンツィ首相も招待されて、このトンネルを走る列車に同乗した。

このトンネンはロッテルダム港とアントワーペン港とを、ジェノヴァへ結ぶ為に建設されたもので、基本的には貨物輸送でのスイスにおけるトラック運送を軽減化させるためであった。

スイス連邦鉄道(CFF)によると、トンネルの開通によってスイス南部のティチーノ地方の首都ルガーノ(Lugano)と、スイスのチューリヒ(Zurich)はこれまでは2時間41分かかったが、これが2時間になって41分ほど短縮され、利用者数は現在の9000人から2020年までには15000人になると言っている。しかしドイツは旅行者の数が非常に多く、トンネル使用で、貨物列車の増大との関係に影響が出て来るだろうと言われている。

スイスは当トンネンの公費として111臆ユーロ(約1兆6500臆円)を拠出しているが、イタリアもドイツも公共財政負担が大きいためにこのような計画も無かったという。

【参考記事】
http://www.france24.com/fr/20160601-suisse-tunnel-plus-long-monde-saint-gothard-inauguration-alpes-europe
http://www.rfi.fr/europe/20160601-suisse-tunnel-saint-gothard-hollande-merkel-renzi-europe-traversee
http://www.gottardo2016.ch/sites/default/files/Low_RZ_SBB_Gottardo_Flyer_FF_103x210_04_f.pdf
http://www.lefigaro.fr/conjoncture/2016/06/01/20002-20160601ARTFIG00005-les-chiffres-fous-du-tunnel-du-saint-gothard.php

https://www.tcs.ch/fr/tools/inforoute/saint-gothard.php