ドイツのように欧州共同体の諸国には二つの水準があるとし中核グループと周辺グループを分けて考えている。そのためにフランスでもこれに同調するジュッペ元首相やサルコジ前大統領などはギリシャを周辺グループへと排除しようという考えでメルケルと一致していてこれを支持しているわけで、もう一方の欧州共同体の概念を主張するオランド仏大統領を批判するわけだ。
フランスなどは欧州諸国内のメンバーはたとえ小国であっても同等の参加権利を持つものとする見解で、欧州共同体に二等国民を作らない主張である。ここには人種差別と経済システムとしての資本主義経済が二等国を必要としてしか成立しないという問題がある。
一方で共同体の内外でやはりこの資本主義経済システムの力学は保存されているのも確かだ。これはいったいどういうことかというと国外国内を問わず貫通しているシステムは強者による弱者の支配ということである。これからの民主主義がどう欧州共同体の中で力をつけながら、この支配をどう乗り越えらていくかが一つの鍵である。その意味でもギリシャのチプラス(Aléxis Tsipras)首相の挑戦は欧州に新しい可能性をもたらすし、このながれを阻止してこれに圧力をかける勢力が必死で蠢いているのは確かだ。
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La rigueur au coeur du projet allemand pour l’euro
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