2016年9月12日月曜日

オーストリア第三次大統領選挙を11月末に政府が議会に要請

9月12日にオーストリアのヴォルファング・ソボタク(Wolfgang Sobotka)内相は、大統領選挙の5月22日の第二次決選投票で選挙のやり方の違法が指摘されて、左派・緑の党エコロジストのアレクサンダー・ファン・デア・ベレン(Alexander Van der Bellen)氏が、極右派系の自由党(FPÖ)のノベール・フォフェー( Norbert Hofer)氏に僅差で勝利していたが、やり直し選挙が10月2日に延期されていた。今回は、市民が受け取った郵便物扱いの遠隔者用投票カードに技術的な異常があり苦情がでたとして、内相が12日に第三次投票を11月27日と12月4に行うことを政府が議会に要求すると発言した。オーストリア警察は既に9日から調査を開始し犯罪か事故なのかを調べている。オーストリアでは郵便物扱いの投票カードは一般化しているものだという。問題は、郵便物扱いの投票カードが封筒に入っているが、その糊が弱いのか一人でに開封されてしまうというものだ。

この件でフランスなどでは候補者の名前が書かれた紙を一枚選んで、それを封筒に戻し封をしてその場で投函する。日本の場合には鉛筆で投票希望者の名前を書いて、封筒に入れ封をして投票するという違いがある。鉛筆で書くのは誤字を訂正できるからだというが、投票後に名前が判別できず二人の候補に取れる意味合いの文字の場合には、無効にせずに、半分半分にして数えるらしいのだ。

前回のオーストリアの5月の選挙では郵便物扱いの遠隔者用投票カードは全体の16,7%であるが、これが左派・緑の党エコロジストのファン・デア・ベレン氏に有利に働いて勝利に導いたと見られている。投票を延期することによって、新たな若い世代の有権者層と死亡者とでの投票行動の違いから、そこに新たな変動が予想されているのだろうか。