2012年8月17日金曜日

ウィキリークスのアサンジュ氏 米国権力と民主主義・人権で対決

内部告発サイトのウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジュ氏は米国機密情報を漏らしたことと二人のスエーデン女性に性的暴力を振るったとして国際指名手配になっていて6月19日からは英国ロンドンにあるエクアドル大使館に亡命していた。ウィキリークスのジュリアン・ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジュ氏は米国機密情報は米国軍のイラクでの戦争犯罪をより明瞭にする米国機密文書の暴露記事を掲載し真実を表そうとした。そのなかには性犯罪もあると見られている。メディア言論の自由の闘いはアサンジュ氏一人の問題ではなく全世界の民主主義と人間の尊厳を守る人々の課題でもある。
 エクアドルのラファエル・コレア大統領は同氏に亡命の意思があるか確かめている。
もしスエーデンへの引渡しが可能になれば米国裁判所への移送が考えられる。米国は同氏をスパイ犯として死刑を宣告する可能性があり、そうなると民主主義を実現する言論の自由を封鎖しようとする権力と本格的に衝突することになる。ウィキリークスとアサンジュ氏はそれとの対決が余儀なくされてることになる。
 仏ミッテラン政権下で法相を務めフランスでの死刑廃止を成立させたロベール・バダンディエ氏は最近アルベール・カミュに関する論文の中で死刑反対論を書いている。カミュにとっては死刑反対は日常の闘いであり死刑廃止や人間性の退廃や残虐行為や処罰は彼の目には人権侵害として人間にとって有害なものとして映っていたと語っている。
フランスと同じく人権の拡大に貢献して来たジャン・ロックやダビッド・ヒューム、ミルを輩出した英国がエクアドル在英国大使館のアサンジュ氏をどのように取り扱うかが注目されるところだ。この点に関しエクアドル外相のリカルド・パティニョ氏はエクアドルを植民地のように取り扱い大使館の独立性を認めないことは「ウィーン合意」に違反するといっている。