2017年7月21日金曜日

マクロンが仏将軍を解任 将軍の口出しは絶対に許せないと 防衛費縮小批判で

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎21/‎07/‎2017‎‎-16:06:32)ピエール・ド・ヴィリエール(Pierre de Villiers)将軍が公共の面前でマクロン仏大統領を、2018年度の軍事予算4兆4200億円(34,2 milliards)は縮小だと批判したことで辞任させられた。これを、マクロン大統領が20日説明した。マクロンは新任になったフランソワ・ルコワントレ( François Lecointre)将軍とフロランス・パルリー(Florence Parly)防衛相を伴って、ヨーロッパ最長の滑走路を持つ南仏イーストレ(Istres)空軍基地を訪れて、軍隊を前に講演した。仏大統領はヴィリエール将軍の行き過ぎた発言は絶対に受け入れられないものだと明言した。マクロンは軍隊が財政に口出しすべきではない。それは我々が決めることだ。将軍の態度はその軍人の立場として見合わないものだと話している。マクロンは大きな計画の中での防衛費の節減であって、他の教育財政などでも節約しているのに、どうして軍事費だけが拡張してよいものかと語ったからである。しかしこれまでは、メディアは将軍は大統領と並ぶ立場にあって直接に大統領に話ができると可笑しな報道をしていた。シビリアン・コントロールを理解しないものだが、これをマクロンは糾したといえる。一応は今はそのせいでメディアも都合が悪くなったのか静かになっている。

マクロンはここで前回の発言を再度確認して2025年までに国民総生産の2%を防衛費に充てられるように努力するとも話した。

仏革命祭ではトランプ米大統領を招待して7月14日の仏軍隊と米軍隊参加の軍事パレードがパリのシャンゼリゼ大通りでおこなわれ、ピエール・ド・ヴィリエール(Pierre de Villiers)将軍もマクロン仏大統領と共にジープに乗って行進した。しかし前日に将軍がが公然と言い放ったことで、気を悪くしたマクロンはそういう問題を公共の面前で言うものではないとピエール・ド・ヴィリエール(Pierre de Villiers)将軍をたしなめていた。

その後フランスのフランス国営放送テレビA2や国営ラジオ・フランス・アンフォやニース専門のフランス24テレビなどでは、専門家を呼んで、マクロン大統領やパルリー防衛相は国立政治学校を出た優秀な人だが、兵役義務の世代ではなく軍隊の経験もなく、軍事を今から勉強する素人なのだと半分揶揄するトーンでの報道が殆どであった。

多くのジャーナリストたちはフランスの軍隊が核潜水艦や核装備ジェットキの保持更新に財源がもっと必要だとする立場で、ピエール・ド・ヴィリエール(Pierre de Villiers)将軍は軍人からの信頼も厚く過失はかって犯したことのない立派な人だとして支持する報道が目立った。サルコジを持ちだして対象させては、マクロンは若くて素人であるとも言っているメディアもあった。

しかしこの素人ということであれば、玄人政治家のことだが例えばバラデユー首相時代のサルコジが署名したのだが、フランソワ・レオター防衛相はカラチやサウジアラビアへの潜水艦などの武器売買契約見返り還流リベート詐欺事件で起訴されたばかりだ。テレビでインタビュー出演でコメントを出したサルコジ前大統領時代の法務大臣・防衛相を担当してミッシェル・アイオマリは、夫や両親らとチュニジアの独裁者ベンナリ一派の恩恵で年末豪華ジェット機付き豪華ホテル旅行を楽しんでいた。その近くで2010年12月17日、野菜売りの引き車で家族を養っていたモハメッド・ブウアジジ氏は、警察に行商免許がないと指摘されこれが没収されてしまった。これに抗議し、焼身自殺を企てて年を越した4日に死亡した。

これが、その後に引き続いたマグレブ諸国の民主革命の発火点であったが、同じ時にフランスの防衛相一家はチュニジアの遊び先で、この事件の胎動も知らずしてフランスに帰国したのである。サルコジ前大統領はこのマグレブ諸国の民主主義の動きに乗り遅れて、これまで支持してきたリビアの独裁者カダフィ大佐とは手を切ってこれを撃つことで、自分の潔白性を世界に証明し名誉挽回しようとしたようだ。自称哲学者ベルナール・アンリー・レヴィーと二人だけでリビア空爆の作戦を企画し実行したと言われている。はたして、こういう政治家たちを指して玄人というのであろうか?

この人たちは武器商人で、サルコジに現金を届けたと自白した現在起訴されているタケイジンの足元にも及ばないのではないだろうか。

フランスの武器産業の社長でフィガロ紙の社主であったセルジュ・ダッソーも資産隠匿と脱税事件で起訴された。フランスの防衛費を拡張しようとするのはピエール・ド・ヴィリエール(Pierre de Villiers)将軍のいうことではなく、またメディアが軍事産業振興の手伝いをけしかけるのではなくて、そういう判断はマクロン大統領は政府が決めるべきであると、ピエール・ド・ヴィリエール(Pierre de Villiers)将軍をたしなめたのであった。ところがジャーナリストはそのシビリアン・コントロールを理解しないで、軍事費拡張の重大性を理解してないと批判したのであった。トランプ米大統領がフランスに到着した7月13日の朝にエリゼ大統領官邸を緊急訪問したのがドイツのメルケル首相で、そこではメルケルにヨーロッパ共同防衛の戦闘機開発をマクロンは提案している。

【参考記事】
http://www.20minutes.fr/politique/2107399-20170720-armee-faut-retenir-discours-emmanuel-macron-istres

http://www.20minutes.fr/politique/2107783-20170721-video-christophe-castaner-accuse-general-pierre-villiers-avoir-mis-scene-demission
http://www.20minutes.fr/politique/sondage-5939-pensez-visite-macron-istres-suffi-reshttp://www.20minutes.fr/politique/2107399-20170720-armee-faut-retenir-discours-emmanuel-macron-istrestaurer-confiance-militaires