2011年1月22日土曜日

世論調査予想、サルコジは2012年の大統領選挙は敗北が確実、対セゴレーヌでも厳しい

2011年1月17日~18日にかけての調査会社(CSA)による世論調査ではサルコジ大統領は2012年の大統領選挙では敗北が確実と予想されている。これはあくまでも予想であり、セゴレーヌ・ロワイヤル前大統領候補の場合でも人気は強いし、彼女の意気込みは仏社会党の先陣をきっていて期待できる。が、今回の世論調査では評価は厳しかったようだ。しかし戦略的には一番サルコジ大統領にとって手強い相手は誰かとの調査はなかったが、それはロワイヤル氏ではないだろうか。セゴレーヌやオブリ社会党書記長でなければ左派共闘は困難になるからだ。本調査はその逆を狙ったもののようだ。つまりそれはDSKの圧倒的な得票予想にはサルコジ側の血が流れ込んでいると見るからだ。そのためにジャンルック・メランション左派党議長はDSKが社会党候補に選ばれるのを牽制している。左派陣営での富の分配が期待できなくなるからだ。

ドミニック・ストラスカン(IMF国際通貨基金総裁でフランス元社会党経済相)はアメリカ生活が長く続きフランスでの人気が減少してきている。


党首になったばかりの極右フロンナショナル(FN)のマリーンヌ・ル・ペンは第1回目の得票は17%も獲得する予想が世論調査ではでている。第2回目決選投票ではこのFNの票は確実にサルコジへ流れると見られる。サルコジ氏が極右フロンナショナルのマリーンヌ・ル・ペンと結果的に組まなければ勝てない状況が今のフランス政治の根本的な問題なのであろう。野党はこの共闘をストップさせようとしているわけだ。


サルコジ大統領よりも世論調査ではいつも人気のあるフィヨン首相を代打に登場させるべきではないのか?これをフランス国民が同考えているのかを調査する世論調査もあってもよい。


たとえばメランション氏は22日の夜のフランス国営放送・テレビA2に出演し興味深い指摘をしている。つまり、以下の世論調査の統計数字からも指摘できることではあるが、社会党のDSKを候補に立てて圧倒的な勝利を得たとしてもそれは、サルコジ支持など右派の血液が流れ込んで勝利したのであって、それでは圧倒的国民の左派への富の分配が要求できないものになってしまう危険があると見ている。これを指摘するメランション氏がDSKを支持しないのは当然である。


この統計にはそういう誤解の危険性があるわけだ。だから世論調査の結果を安易には鵜呑みにできないわけで、DSKが一番だとするわけにはいかない。


世論調査はその意図によっては情報操作ともなり得る。



リベラシオン紙などに掲載された世論調査の結果は、社会党の候補者の違いによるサルコジ(UMP)陣営での得票率の変化がどうなるのかということであった。

それぞれ第1回目と第2回目の大統領選挙での予想を示したものである。これを以下のように表にしてみた。しかし表は多くの情報を一元化し誤った見方を提供する危険性がある。すでに指摘したのでその点を注意して見ていただきたい。

第1回目投票で 社会党候補オブリ書記長の場合の大統領選挙予想

オブリ

22%
サルコジ
27
 ペン

17%
バイル

9%
エバ・ジョリ
6%
ブザンスノ
6%
ビルパン
6%
メランション5% 
アルチュー
1
DLR
1
社会党
UMP
FN
モデム
EELV
NPA
Villepin
PG
PC























第1回目投票で 社会党候補セゴレーヌの場合の大統領選挙予想
セゴレーンヌ
21%
サルコジ
26
 ペン

17%
バイル

10%
エバ・ジョリ
8%
ブザンスノ
 4%
ビルパン
7%
メランション7% 
アルチュー
1
DLR
1
社会党
UMP
FN
モデム
EELV
NPA
Villepin
PG
PC






















第1回目投票で 社会党候補オランド前書記長の場合の大統領選挙予想
オランド
20%
サルコジ
26
 ペン

17%
バイル

9%
エバ・ジョリ
8%
ブザンスノ
 6%
ビルパン
7%
メランション5% 
アルチュー
1
DLR
1
社会党
UMP
FN
モデム
EELV
NPA
Villepin
PG
PC























第2回目投票で、社会党候補の違いによる対サルコジとの得票予想
DSK
64%
サルコジ
36%
 


オブリ
56%
サルコジ
44%



セゴレーヌ
50%
サルコジ
50%



オランド
55%
サルコジ
45%





(※)UMPは国民運動連合(UMP)、EELVは欧州エコロジー・緑の党(EELV)、FNは国民戦線(FN)、NPAは反資本主義新党(NPA)、Villepinはビルパン党、PGは左派党(Parti de gauche)、PCは共産党(PC)、DLR立ちあがる共和国(DLR)で議長はニコラ・デュポンテェニャン


(※)調査は2011年1月17日から18日にかけて、18歳以上でフランスの選挙投票リストに記入されている847人をサンプルにして電話で質問されたもの。