2011年5月18日水曜日

サルコジ大統領 ストロスカーン氏の問題で 仏閣僚大臣のメディア出演・発言の禁止を指令

5月15日朝にサルコジ仏大統領は指令をだしてフランス政府の各閣僚大臣が勝手にコメント発言を出すことを禁止した。内容は14日にニューヨークで起きたドミニク・ストロスカーン国際通貨基金(IMF)専務理事(元仏社会党経済相)で2012年の有力な大統領候補の性的暴力容疑でもって逮捕された事件に関するものだ。表向きは無実の推定に対し仏政府の大臣に発言しないように口を慎むことを指令したものである。この不意の指示によって15日日曜日にメディア出演やインタビューを予定していた大臣たちの発言は取り止めになっている。

グザビエ・ベルトラン労働・雇用・健康相で元国民運動連合(UMP)総書記長は国営フランス・テレビ局5チャンネルに出演予定だった。仏財務大臣で政府スポークスマンのフランソワ・バロワン氏はフランス国営放送・テレビA2に、アンリ・グゥエノ大統領官邸エリゼ宮特別諮問官はBFMテレビに出演予定だった。

しかしアラン・ジュッペ防衛相やジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長などは既にテレビのインタビューに答えてストロスカーン事件にコメントをだしていた。

サルコジ大統領は内心には手を叩いて喜んいるのだろうがそれを公然とはできないのだとフランス国営放送・テレビA2の経済・政治部編集長のフャビアン・ナミアス氏などはいっている。

サルコジ大統領の指令はストロスカーン事件を利用して自己宣伝をする者やストロスカーン氏の潔白が証明された場合の不都合を回避しようということらしい。

2012年の仏大統領選挙の最強候補であるストロスカーン氏の票田には社会党(PS)支持者だけでなくサルコジ大統領を敬遠した右派の人々も多い。そいういう中道右派の票田の行方が最近UMPを去った人気大臣であったジャンルイ・ボルローエコロジー・持続的開発相(環境相)などへ流れ、人気のないサルコジ氏の支持基盤をさらに振動させることになるのを回避しようとしたものと考えられる。

「インタビューに答えて余計なことを言わないように」などというUMPの責任者もいて、このようなやりかたを問題視する同党の大物議員もいる。