6月27日、オランダのハーグの国際刑事裁判所(ICC-CPI )はリビアのムアマル・カダフィ大佐とその息子のセイフ・アル-イスラム氏及びリビア国家情報局長のアブダラ・アルセヌシーに対して人権犯罪で国際逮捕状の交付を宣言した。しかし、これまでにリビア政府と北大西洋条約軍事機構(NATO)との間での戦闘で数千人の市民が死亡した。国連決議1973を逸脱したNATO軍によるリビア市民の殺害もそこにはある。外国への難民は65万人、国内で移住した者は23万3000人だという。リビア市民の安全確保と人権擁護団体の救援参加の対策は逸脱して実現されずにフランスなどは泥沼化を否定していたがすでに4ヶ月の長い戦争となった。
リベラシオン紙によると、判事の決定は蜂起側のベンガジ政府側の反リビア政府臨時国家審議会(CNT)には歓喜して受け入れられていて空砲が撃たれているという。しかしトリポリではカダフィ支援の市民が北大西洋条約軍事機構(NATO)の爆撃で殺害された子供や市民の写真を道端に並べてフランスの大統領を批判しているとするルポルタージュがフランス国営放送・テレビA2でサマ・スーラさんによって6月27日紹介されている。
アラン・ジュッペ仏防衛相の関心は、カダフィ大佐は権力を解任されるべきかどうかが問題なのではなくて、いつどのようにして追い出すかだといっている。
NATO事務総長のアナス・フォー・ラスムセンはこのことでカダフィ大佐がこれまでよりも一段と孤立化してゆくことを心配している。
英国のウイリアヌ・ハーグ外相は27日、カダフィ大佐の取り巻きに対し見放すか降伏するように圧力をかけているという。
リビアのカダフィ大佐への空爆はサルコジ大統領が個人的に議会で承認もなく始めたものでその後に英国や国連(ONU)や北大西洋条約軍事機構(NATO)が参加したものである。
リビアのムカダフィ大佐の立場は、「アラブ諸国の春」がチュニジアやエジプトに始まった時にその民衆を支援しないどころか独裁者のベンアリやムバラクと繋がってその好意をうけてきたフランスの首相や大臣たちが批判されてきた後で、遅れてはならないとばかりにリビアへの空爆が突然に始まった。
フランスなどはそれまではアラブ諸国の独裁国諸国とは手を繋いできた友好国であった。それが極端な変節と内政干渉をされたとしてカダフィは批判してきている。
フランスなどはそれまではアラブ諸国の独裁国諸国とは手を繋いできた友好国であった。それが極端な変節と内政干渉をされたとしてカダフィは批判してきている。
リビアやソ連や中国やアフリカ諸国連合(UA)などからは行き過ぎた欧米の空爆が、国連決議1973を守らないために市民が犠牲になる戦闘が心配されていた。
またフランスの高名な弁護士であるジャック・ベルジェス弁護士と元社会党(PS)外務大臣のロラン・デュマ弁護士はサルコジ大統領をフランスの裁判所にリビアでの市民空爆で告訴するとトリポリを訪問した折に宣言している。
(参考記事)
Un mandat d'arrêt contre Kadhafi - Libérationhttp://actu.voila.fr/actualites/monde/2011/06/22/libye-division-des-allies-de-l-otan-sur-la-poursuite-des-frappes_74640.html