2011年10月19日水曜日

米ムーディーズ社がバロワン仏経済相と会見、仏がソブリン格付けトリプルAaaを喪失する情報


フランスがソブリン格付けトリプルAaaを喪失するという情報がもたらされたのは仏社会党大統領予選候補選挙でフランソワ・オランド前書記長に決まった16日の夜であった。この日、20時のフランス国営放送テレビA2に出演していたフィヨン首相は、オランド氏の仏大統領選挙候補決定での宣言、「フランス人の夢であった」と話したのを指摘してフランスが必要なのは現実対策で現実を見忘れた夢の発言ではないと批判した。しかしこの夜には、政府発行の外貨建て国債や政府保証債の元本や利子支払いの安全ランクを示すソブリン格付け評価をしている米国Moodys社の代表がフィリップ・バロワン仏経済相と会見していた。フランスが現実に即さない不適切な財政対策を続ければフランスのトリプルAaaを剥奪するとそこで発表された。これに対しバロワン経済相は全力をつくし向上化に努力する。特別優遇税などを減らしてゆくと顔をこわばらせて説明してみせ、3ヶ月間の再監査の猶予を得た。フランスの現実の財政を正視してなかったのはフィヨン政府であった。が、これを隠しフランスはトリプルAaaを失わないし大丈夫だと今は宣伝している。
18日、オランド社会党大統領候補はジャーナリストの質問に答えて、原因は前からわかっていた。問題解決には現政府はその水準に位置して無くて、対策が不十分で遅かったからだと指摘し、このまま政府がやらないでいるならば、我々がやると発言した。

フランスがトリプルAaaを失う理由としては経済学者や専門家の見解では、成長率がほとんど無いこと、投資が無く、ギリシャへの援助やデキシアの倒産が影響しているとしている。

欧州では現在トリプルAaaを持っているのはフィンランド、ルクセンブルグ、オランダ、ドイツ、フランスであることが18日にテレビA2ではじめて発表されたが、これまでの報道ではトリプルAAAはフランスとドイツだけが所持しているような表現が多かった。

たとえば、2011年10月18日現在では、

トリプルAaaの、ドイツとフランスで、国債利回り→2.9%

Aaはスペインで、     〃                       →5.1%

Ccはギリシャで、      〃                      →23% 


フランスの借金が現在は1640億ユーロ(約17兆2200億円)だとして、約3%の税率では、492億ユーロ(約5兆1660億円)だが、これがトリプルAaaを失うと、約4.3%の貸付税率となり、ユーロが下がっている現在でさえ700億ユーロ(約7兆3500億円)となる。フランスは税金を上げるかして約17兆円を生み出さなければならない。

【関連記事】

2011年10月05日
ギリシャの金融破産であおりを受けた仏・ベルギー銀行の大手デキシアは、-37%の株価が前日比で下落したとフランス国営放送テレビA2は4日、夜20時のニュースは伝えている。損失は1兆円から1兆6千億円と見られる。4日、仏・ ...
2011年10月09日
9日にベルギーの首都ブリュッセルでフランスのフィヨン首相とベルギー首相、ルクセンブルグ代表が集会し、仏-ベルギー企業のデキシア銀行解体の交渉を行い早急に合意を引き出す模様だ。すでにフランスはベルギーと電話で話し合いが進め...