2015年6月5日金曜日

ストラスブルグの欧州人権裁判所が「植物人間」への栄養摂取や水分補給のストップを承認

5日ストラスブルグの欧州人権裁判所(Cour européenne des droits de l'Homme)は、2008年にモータバイクの事故で「植物人間」になってすでに7年間ほどたったバンサン・ランベール(Vincent Lambert)氏(38歳)への栄養摂取や水分の補給をストップさせる承認許可を12対5で判決を出した。フランスはこれによって欧州人権法にも違反していないと判断した。これによってフランス国内に1500人から1600人ほどいるバンサン・ランベール氏と同じ状態にある人々やハンディ・キャップの人々は、「これは私たちをいらないという考えで、許されないものだ」「人権違反であり、殺人だ」として反対している。(パリ=飛田正夫 2015/06/05 20:19日本標準時)
弁護士は「これで終わったのではない。戦いは始まったばかりである」と人権団体を中心に弁護士などからは、「元気な人にも適応されて殺されることになる」「非人間的な条項だ」と多くの批判がでている。バンサン・ランベール氏の母親のリリアン・ランベールさん(70歳)は「息子は死なせたくない」と主張し、父親は「死なせたい」妻のアシェルさんは「尊厳をもって死なせたい」と言っていて、家族が分裂している。バンサン・ランベールはパリの東170キロほどのシャンパーニュ地方の首都ランスの病院に6年間ほど入院していたが、医者が転任して別の医者になって新たな診断が出されていた。新法では医者の判断を全面的に承認するというものだ。しかしながら判断は理性的に医者だけでなく看護士や病院外の関係者も入って最高2時間の範囲で討議して決めるといっている。「植物人間」などの状態に置かれたハンディ・キャップの人々は自分一人では防衛ができないために、今回のストラスブルグの欧州人権裁判所の判断は大きな論議を呼ぶものと考えられ、引き続き論議が続けられる。

【関連記事】http://franettese.blogspot.fr/2015/06/blog-post_11.html

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【参考記事】http://www.leparisien.fr/societe/fin-de-vie-de-vincent-lambert-la-justice-europeenne-tranche-ce-vendredi-05-06-2015-4834571.php