マチュユ・ガレ(Mathieu Gallet)氏は以前にフランス国立視聴覚研究所(INA)の所長で、現在は国立「ラジオ・フランス」の総局長であるが、6月4日にパリ西郊外のクレテール裁判所検事は、2010年に同氏は「温情主義」による同局長への就任があったのではないかと見て予備調査が開始されるとリベラション紙が報道した。同じく、マチュユ・ガレ氏の後任者であったINA所長のアニエス・サール(Agnès Saal)氏も2007年に同局長に就任してから最近2014年までに、タクシー代金40915ユーロ(約614万円)を横領していた。最近文化大臣の圧力で辞任した。サール氏には「公金横領罪」で予備調査が6月2日から始まった。サール氏は国立ポンピドーセンター総支配人でもあった人だ。彼女の息子がこのタクシー代金の横領に加わっている。彼女はその内の何割かを返済するといっている。。(パリ=飛田正夫 2015/06/06 21:49 日本標準時)
問題は「フランス共和国」の「公共的な役職」を使って、私的な出費や温情主義で取引をしていた二人の任命の裏に何かがあるのではないかとう疑問を残したことだ。それは2007年というのはサルコジ氏が仏大統領選挙に勝利した年であるからだ。5月6日の政治暴露記事専門紙カナールアンシュネによると、仏大蔵省経済・財務調査局(CGEFI)の調べで、マチュユ・ガレ「ラジオ・フランス」総局長の立場で多くの一般公示に付さない「不正取引」契約があり、その総額は数百万ユーロ(約9億円)を超えるという。
「不正取引」の中には、サルコジ前大統領就任の2007年から2012年にかけて、エリゼ大統領官邸の巨額な経費を使ってのフランス国民を各方面から調査したものがあった。これは一般公示なしで、オピニオン・ウェー(Opinion Way)世論調査会社を独占的に起用(25万ユーロ/約3750万円)していたもので、「エリゼ官邸世論調査事件」と呼ばれているものだ。このオピニオン・ウェーとマチュユ・ガレ総局長との関係が出てきた。
それはマチュユ・ガレ「ラジオ・フランス」総局長の渉外諮問員というのがデニス・パンゴー(Denis Pingaud)さんであり、彼女はオピニオン・ウェーの副社長でもあったからだ。
マチュユ・ガレ氏がフランス国立視聴覚研究所(INA)所長の時代に公示に付さない「不正取引」契約は、「カナールアンシュネ」によると80万ユーロ(約1億2千万円)に上るという。ガレ氏はこれを否定していて「カナールアンジュネ」が嘘を言っていると反論している。「公金横領罪」はフランスの法律では10年の禁固刑と15万ユーロ(約2250万円)の罰金となっている。
Deux ex-patrons de l'INA dans le collimateur de la justice