2011年3月8日火曜日

パリジャン紙の連続世論調査でわかったことはサルコジ大統領が「第一次投票で排除」されることだ

パリジャン紙は3月6日の発表に続いて連続2回目の2012年の大統領選挙第一回目投票の予想調査をまだ候補者の出揃ってない時点だが、オブリ社会党書記長の代わりに今度はドミニク・ストロスカーン(DSK)国際通貨基金(IMF)専務理事(元仏社会党経済相)やフランソワ・オランド仏社会党前書記長を登場させて調査の予想結果を発表した。第一回投票なのだから他の各党の候補者の得票%も当然あってしかるべきなのだが、このパリジャン紙の調査ではなぜか第二次投票のような簡略さで調査をしているのも不思議である。

3月8日にパリジャン紙は、社会党候補者のドミニク・ストロスカーン国際通貨基金(IMF)専務理事(元仏社会党経済相)やフランソワ・オランド仏社会党前書記長を出してみせて、いずれの場合でも極右政党、国民戦線(FN)フロンナショナルのマリーンヌ・ル・ペン党首がトップ当選するといっている。しかしなぜパリジャン紙の調査でははじめから社会党の一番人気であるストロスカーンを登場させなかったのか説明がないのだ。

大統領選挙には各党の一番手が出るのである。社会党では2番手3番手が候補者として出るとパリジャン紙は考えているようだ。たとえそうだとしても有力候補を先に出して調査すべきだ。なぜならばパリジャン紙はセゴレーヌ・ロワイヤル前大統領候補は人気がないので調査対象から外しているからだ。それならばなおさらのことだ。初めからストロスカーンを登場させて調査をすべきであったろう。

それをしなかったのは、第一回投票でサルコジ大統領が敗北するということがわかっていたからだと考えられる。何故パリジャン紙がこんな回りくどい世論調査をしているのか?そこにこの調査の調査でない目的が隠れているように思われる。



社会党(PS)

 与党(UMP)



国民戦線(FN)

パリジャン紙掲載日

オブリ
21%
サルコジ
21%
ル・ペン
23
    3月6日

DSK
 23
サルコジ
21%
ル・ペン
24
    3月8日

オランド
20%
サルコジ
21%
ル・ペン
24
    3月8日


DSK)はドミニク・ストロスカーン

いずれも、ハリス・インターラクィブ(Harris Interactive)調査会社を使ったもの。

まだ社会党の大統領選挙候補者が誰になるのか決まったわけではない。サルコジ大統領も本人は大統領選挙に出たがっているようだがまだ正式な与党仏国民運動連合(UMP)の候補者として発表されているわけではない。他党の候補者も出揃ってない内に、少数党の候補者の得票%など排除されたパリジャン紙の第一回投票調査とはどういう民主主義を想定しての調査であったのだろうか。この世論調査の方法と目的をどう解釈したらよいのか謎である。