2011年3月8日火曜日

サルコジ寄りのカラチ仏潜水艦コミッション仲介役が、違法現金1億8千万円をトリポリから

2月5日夜、パリ北近郊のル・ブルジェ空港でトリポリから到着したサルコジ大統領官邸エリゼ宮殿寄りのレバノン人ジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)氏が税関で審査を受け150万ユーロ(約1億8千万円)の入ったバリーズが不法持込で押収された。タキエディン(Ziad Takieddine)氏は6日には釈放されたが、ボビニー裁判所検事はカラチ仏人殺害事件での見返り手数料(レトロ・コミッション)との関係で調査を開始した。

レバノン人ジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)氏の会社は、フランス政府とパキスタン政府との間の潜水艦アゴスタ(AGOSTA)契約とサウジアラビア王国へ売った3隻のフリーゲート艦スワード(SWAARI II)の30億ユーロ(約3600億円)契約の手数料18%を、フランスからパキスタンへと送金を担当していた。が、同時にパキスタンへのコミッション支払いだけでなく、フランス側へと逆流させた見返り手数料(レトロ・コミッション、当時も今も国の財産濫用で違法)も担当していたとされる。

またこのことで、フランス政府側への見返り手数料(レトロ・コミッション)支払いがカラチ仏人殺害事件の財政面を担当するカラチ仏人殺害事件担当のルノー・バンリュインベック判事によって、1995年のバラデュー元仏首相の大統領選挙運動に運用されたのではないかという見解が強まっている。

カラチのフランス造船局(DCN、当時は国営)で働いていた11人の仏人殺害事件のテロ殺害事件がカラチ政府側へと流れる手数料(当時は認められていた)が、再当選した直後のシラク大統領によってストップされたことで報復としてカラチ政府が造船を担当していたフランス人をテロ殺害したとする見解の中で、フランス政府要人側への見返り手数料も存在すると見て、2011年2月2日同判事は国家財産濫用の疑いで調べることにしたと発表した。

2002年5月に起きたカラチ仏人殺害事件の財政面の調査を担当してきたルノー・ヴァン・リュインベック(Renaud Van Ruymbeke)判事の調査もバラデュー元仏首相や当時バラデューの大統領選挙運動のスポークスマンで財務大臣としてパキスタンへの潜水艦売り込み契約に調印していたサルコジ現大統領への調査に関心が集中してきている。

またコミッションの仲介役には2人のレバノン人が担当していた。アブデュル・ラフマン・アル・アジール(Abdul rahman Al Assir)氏とジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)氏だ。

パリ北近郊ル・ブルジェ空港に違法現金を持ち込んだタキエディン氏というのは、リビアのカダフィ大佐からブルガリアの看護婦5人とパレスチナ人医師1人を一人当たり100万ドルの身代金を支払って解放した事件に参加した人物である。

最近、内務大臣に就任したクロード・ゲラン前大統領官邸書記総監や、チュニジア大使に2月中旬にサルコジ大統領から任命されプチ・サルコジと呼ばれ、カダフィの子供だと自称する横柄な態度がチュニジア側から批判され辞任を迫られたボリス・ボロワン氏などと共にタキエディン氏が陰で関与していて、サルコジ大統領前婦人セシリアさんのブルガリア看護婦解放の快挙を支えていたことで知られる。

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